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2010年10月

都市と水

昨日放送されたNHK「ブラタモリ」は、「新宿水道編」と題して、東京の水道にスポットを当てた番組でした。

普段、蛇口をひねると当たり前のように水が「ジャー」と出て来ますが、過度に人口が集中している大都会東京で、これだけ安定的に、しかも飲用にも耐え得る水質で水を供給できるというのは、実はとてもすごいことなのです。東京都は、高度浄水処理100%の水道水をつめたペットボトル「東京水」を販売する等、PRに余念がありませんが、こういう番組を放映して、視聴者に直接アピールするということは、とてもいいことですね。

先週10月15日(金)に、東京都不動産鑑定士協会主催の後援会「異文化としての日本を考える」で、講師の椎名誠氏が、今後の世界を読み解く上で「水」が非常に重要なキーワードになると仰っていました。
世界の人口は2050年に90億人を超えるという推計が発表されましたが、安全な飲み水を確保できている国は少ないのが現状です。

日本は、豊かな自然に囲まれているおかげで、今のところ水に困るということはないようですが、ダム建設等による上流域の自然破壊や、林業の衰退に伴う森林の荒廃により、私たちの水を取り巻く環境は、年々悪くなってきているようです。

東京都の北西部、山梨・埼玉との県境に雲取山(標高2,017m)という山があります。東京都に2千メートルを超える山があるということに、驚かれる方もいらっしゃると思いますが、これにはわけがあります。

元々、雲取山の東斜面を含む多摩川の上流域は、山梨県に属していました。明治維新後、多摩川の上流域の山林は過度の伐採や、開墾、焼畑等が行われ、森林が荒廃し、雨が降るたびに水源である多摩川や玉川上水のの水が濁るようになり、東京の飲料水が危険にさらされます。
そこで、1901年(明治34年)当時の東京市長、尾崎行雄氏は、水源地保全のため、多摩川を囲む山地48,766haを山梨県から購入しました。当時、一面のススキ野原だった山の稜線に、大正末から昭和5,6年頃にかけて、唐松の苗木を植林し、数十年かけて現在の植生を作り上げて来ました。

奥多摩の山に登られた方は、その豊かな自然に「ここが同じ東京か?」と驚かれるのではないでしょうか。

明治・大正時代の人々の努力によって、東京の水源は守られてきたわけですが、その唐松の林も人工的に作られたものであって、間伐等の手入れ行っていかないとすぐに荒廃してしまいます。

まずは、実際に自然に触れ合い、現状を知ることから始めて、都市と水について考えていかないといけませんね。

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不動産鑑定士 四方田 修

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陥没

テレビのニュースで「岐阜県御嵩町で、道路が東西50メートル、南北60メートルにわたって陥没し、住宅6棟が傾いた。」と報道されていた。

原因は、地表からわずか十数メートルの深さに広がる巨大な地下空洞だそうです。
かつて石炭より安いエネルギーとして国が採掘を奨励し、御嵩町は国内最大の生産地だったが、時代の流れとともに閉山となり、巨大空洞だけが残った。そして、今回の事故が発生したというわけです。

不動産の鑑定評価をやっていると、ついつい取引事例の比較や、収益の分析等にばかり目が行きがちですが、土地の経済価値を考える上で、自然的条件というものにもっと目を向けるべきだと思い知らされます。

今回のような事件が起きると、地価に空洞のある土地の交換価値はかなり低く見られるでしょうね。

これは、極端な例ですが、例えば地盤の強さや高低差なんていうものは、集中豪雨に見舞われたり、川が氾濫したりしたときに重大な影響を受けることになります。ですから、昔は高台には高級住宅街が形成されたものです。
しかし、現在は駅からの距離や近くに買い物する場所はあるか等の生活利便性ばかりが注目されて価格が決められています。もちろん土木・建築の技術が進歩していますので、昔は水の被害が出ていたような場所でも、安全に暮らせるようになって来てはいるのですが、大雨や地震等の自然の力が働くと、かつての脆弱さが顔を覗かせることがあります。これをどこまで不動産の経済価値として把握するべきか?今後の課題ですね。

最近、NHKで「ブラタモリ」という番組をやっています。この番組の中で、司会のタモリさんが、都市の中に埋もれている「高低差」に着目して、かつての土地の形状を想像する趣向があるのですが、こういう見方をする人が増えて来ると、不動産価格の形成要因になって行くかもしれませんね。

土地の高低差で便利なツールをひとつ紹介。

Google Earth http://earth.google.com/intl/ja/

衛星写真による地図なのですが、カーソルを当てた場所の高度が表示されます。

これで、自分の街を覗いてみると、平坦と思っていた街に意外な高低差があるのがわかったりして、新たな発見があります。

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不動産鑑定士 四方田 修

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