« マンション価格と駅徒歩分 | トップページ | 東京かわら版 »

国有地を定期借地方式で再開発

 2月23日の日本経済新聞朝刊の一面は、ニュージーランドの地震の記事を一段下に追いやって、標題の記事が飾りました。

 この度、財務省は、都心部の大規模国有地に定期借地権を設定して民間に貸す方針を決めました。第一弾として、東京・大手町にある国立印刷局が所有する「大手町敷地(約2万㎡)」を活用する手法として、定期借地契約による賃貸で民間による再開発を促そうという考えです。

 国有地の処分としては、民間への売却が一般的ですが、不動産市況が悪化している現状では、期待した金額で売却できないばかりか、開発業者(需要者)にとっても土地取得代金により投資額が莫大になるため、市場参加者が限られてくるというデメリットも生じます。そこで、定期借地方式を採用することにより、初期投資を低く抑え、参入しやすくなるため、様々な活用方法が検討されることになります。

 失われた10年を経て、日本経済も大きな曲がり角に到来し、国や地方公共団体の役割も変わって来ました。公共目的の不動産が使用されなくなったり、物納で譲り受けた不動産の使い道がなかったりする等、塩漬けになっているものが目立つようになり、保有する不動産の活用が求められるようになって来ました。

 国や地方公共団体が、遊休不動産を持つということは、即ち、その不動産が活用されないばかりか、仮に民間が保有していれば発生するであろう、所得税・法人税・事業税や、固定資産税等の収入の機会をも失ってしまい、官民双方にとって不利益です。そこで、最近では、国や地方公共団体が保有する不動産を積極的に活用する動きが顕著です。

 PRE(Public Real Estate)という言葉があります。「公的不動産の適切なマネジメント(合理的な所有・利用)」と翻訳されることが多いようです。

 PREでは、単に不動産の価格や賃料を測定するだけではなく、当該不動産を活用することによる税収の動向、地域の発展への寄与等、公共財産を運用する上で考慮すべき点があります。

 今回の件でいえば、借りに売却したとすれば、一時金で歳入が増えますので、そのお金で国債を償還すれば、その分国債の利払いの負担が減るわけで、月々地代をもらうより財政に対する貢献度が高い可能性もあります。逆に、売却方針を貫くことにより、買受け希望者が減ることで、当該不動産が十分に活用されなかったり、公共の利益に合致しない目的に使われても困ります。

そこで、売却の場合と、定期借地方式の場合で、どのような経済波及効果や財政への影響があるのか、しっかり検討し、有権者の理解を得ていく必要があると思います。

我々不動産鑑定士も、そうした検討に参画し、説得力のある分析が出来るよう、努力して行かないといけませんね。

関連記事

プロミス大手町本社ビル売却(売却益300億円!)

数寄屋橋阪急(モザイク銀座阪急)の立退料は60億円

Akatsukilogo   

不動産鑑定士 四方田 修

http://akatsuki-rea.o.oo7.jp/

あかつき鑑定BLOGは、にほんブログ村「士業ブログ」に参加しています。

あかつき鑑定BLOGは、にほんブログ村「士業ブログ」に参加しています。

ランキングにご協力下さい。
クリック
↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村 士業ブログへ
にほんブログ村

|

« マンション価格と駅徒歩分 | トップページ | 東京かわら版 »

不動産鑑定」カテゴリの記事

借地借家(地代・家賃)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/564607/50958430

この記事へのトラックバック一覧です: 国有地を定期借地方式で再開発:

« マンション価格と駅徒歩分 | トップページ | 東京かわら版 »