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プロミス大手町本社ビル売却(売却益300億円!)

消費者金融大手のプロミスは11日、東京・大手町にある本社ビル「大手町パルビル」を14日付で売却すると発表しました。

譲渡額は約720億円で、取得するのは同じ街区に本社を置く三井物産と三井不動産で共有持ち分とします。プロミスは2004年に約420億円で土地と建物を取得したので、7年間で300億円余りの譲渡益を得ることになります。
売却により手元資金を厚くして、過去に払いすぎた利息(過払い金)を巡る顧客からの返還請求に備えるのが目的ということです。

プロミスと言えば、2004年に三井住友フィナンシャルグループとの戦略的提携を発表し、同行は20%を超える筆頭株主です。提携当時、バブル崩壊で収益力向上が課題だった都市銀行は、高金利で高収益の消費者金融との提携関係を強めたものの、2006年の最高裁判決で、利息制限法の上限金利(15%~20%)を超えた「グレーゾーン金利」の有効性を大幅に狭める判断をしたのを転機として、過払い金返還請求に備えるための引当金負担が重くのしかかり、経営を圧迫していました。今年に入って、SMBCは同社への支援継続を表明し、その直後の売却発表で、譲渡先が三井グループの老舗ということで、経営支援的な意味合いも強いのかもしれません。

下のグラフは、大手町パルビルの近隣にある基準地(千代田5-24)の価格推移ですが、2003年頃を底に証券化バブルに乗って一気に地価上昇して2008年にピークを迎え、リーマンショック後、2年連続下落しています。2004年の取得額420億円をこの増減率にて時点修正(概算)すると、2010年の価格は約560億円ですので、三井二社の取得額(720億円)がいかに太っ腹な価格かがわかります。もちろん、高く買うことで、過払い金返還請求に広く対応できるようになりますから、称賛されるべきことです。

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もちろん、三井物産も三井不動産も株式会社ですので、無駄に高く買うことは株主が許しません。三井にとっては隣接地ですので、価値の増分が見込めるということで、ちゃんと数字が合う鑑定評価書を取っているはずです。

この規模の不動産の売買になりますと、単なる相場感だけでなく、投資家や利害関係者に対する説明責任が求められるので、必ず裏付けのある価格です。しかし、逆に言うと、市場の相場感とは異なるところで意思決定がなされますので、安易に取引事例として採用するのも注意が必要です。

三井物産によると、取得後もプロミス本社として賃貸する予定ですが、北側の街区は区画整理事業で開発が促進されている地域なので、近いうちに大規模な開発が行われるかもしれませんね。

【追記】

↓下のURLの資料13頁に、新規プロジェクトとして、隣接する大手町一丁目三井ビルディングが掲載されています。開発計画の内容は未定となっていますが、動き始めているようですね。

http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/ir/presentation/pdf/project1204.pdf

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