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マンションの修繕積立金に関するガイドライン

国土交通省は18日、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を発表しました。

http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansei/tsumitate2304.pdf

国交省のHPによると、マンションのストック総数は約562万戸(平成21年末現在)、約1,400万人が居住するということで、日本国民の約1割強がマンションに住んでいます。

マンションの良好な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上を図るためには、計画的な修繕工事の実施が不可欠です。

修繕積立金の額は、管理組合で決めるものですが、一般的には、マンションの分譲段階で分譲事業者が、長期修繕計画と修繕積立金の額を購入予定者に提示し、管理組合も、そのまま鵜呑みということが多いのではないでしょうか?

マンション販売業者も、ローンの返済も含め、月々の支払額を安く見せたいという意識が働きますので、中には修繕積立金の額が著しく低く設定される等の例もみられ、必要な修繕積立金が十分に積み立てられず、修繕工事費が不足するといった事例も生じています。

とはいえ、多くの方にとってマンション購入は一生に一度の大きな買い物であって、修繕積立金の適正な額等知らないのが当たり前です。そこで、このガイドラインが発表されました。

これからマンションを購入する方にとっては、修繕積立金の額が適正であるかどうかの判断基準になります。

もちろん、発表された数字は多くの事例の平均値的なもので、実際には建物の形状や規模・立地、仕上げ材や設備の仕様に加え、工事単価、区分所有者の機能向上に対するニーズ等、様々な要因によって変動するものであり、このような修繕工事費を基に設定される修繕積立金の額の水準も、当然、これらの要因によって変化する性格のものです。

本ガイドラインでは、「修繕積立金の主な変動要因について」において、修繕積立金の必要額に変化を与える要因について説明があって、とても親切な内容になっています。(先日発表された地価公示もそうですが、最近だいぶかゆい所に手が届くようになってきていますね>国交省)

こういうガイドラインは不動産鑑定に携わる者としても、大歓迎です。今まで、マンションの鑑定で収益還元法による収益価格を求める際、「賃貸収入の●%」なんていう見積もりをよく目にしましたが、今後はこのガイドラインにあるモデルケースを用いることで、より説得力のある説明が出来るようになるでしょう。(実務修習の時、「賃貸収入の●%」で見積っ手課題を提出したらたら、「本当にそうなんですか?」とコメントが付いて戻ってきたことがあります…。苦笑)

但し、注意しなくてはいけないのは、この場合の長期修繕計画の前提は、「推定修繕工事は、建物及び設備の性能を新築時と同等水準に維持・回復させる修繕工事を基本とする(長期修繕計画標準様式第3-1)」であることが殆どで、新築から30年、40年経過した段階で建て替えや、設備のリノベーションなどを行うことは想定されていません。

実際、昭和30~40年代の住宅需要を賄うべく大量に建設されたマンションが建て替えの時期を迎えていますが、やはり経済的な問題(居住者の高齢化がこれに拍車をかける)等から、殆ど建て替えが進んでいません。

未曾有の大震災で大きな犠牲を出したばかりですが、今後耐震基準の見直しがあるかもしれません。そういう意味では、このガイドラインの次には、将来のマンションの再生をも取り込んだ積立金のあり方について考えていく必要があると思います。

Akatsukilogo

不動産鑑定士 四方田 修

http://akatsuki-rea.o.oo7.jp/

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