« 賃貸等不動産の価格調査における東日本大震災の影響に関する評価上の取扱い | トップページ | 東日本大震災に対する震災支援税制発表 »

新歌舞伎座は銀座の防災拠点に(これからのビルに求められるもの)

松竹は5日、建て替え中の歌舞伎座の外観などの詳細を発表しました。

http://www.shochiku.co.jp/company/release/pdf/110405.pdf

大正13年に建築され、戦災で焼けたものの昭和25年に建物の基礎などをそのまま利用して改修された第4期歌舞伎座は、建物の老朽化やバリアフリー対応等の問題を抱えており、惜しまれつつ昨年4月に閉場しました。(さよなら公演の折には足繁く通ったものです。)

2013年春に開場予定の新しい歌舞伎座は、地上29階・地下4階のオフィス棟と劇場が併設される複合ビルとなり、劇場部分は、瓦屋根や唐破風、欄干などは昨年4月に閉場した第4期歌舞伎座の意匠を継承します。

Kabukiza

注目すべきは、銀座地区の防災拠点として、ビル全体で3,000人を収容可能な設計となっており、災害時には帰宅困難者の一時避難場所として開放、食料の備蓄等も行っていくとしている点です。

これは、単に東日本大震災の時流に乗ったものではなく、一昨年の夏に建替え計画を発表した時に、すでに盛り込まれていました。この他にも、緑化の推進、CO2排出量削減への積極的な対応などを打ち出していました。
http://www.kabuki-za.co.jp/annai/pdf/tatekae210826kaiji.pdf

CO2排出量削減でいうと、東京都は2008年に環境確保条例を改正し、「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」(以下、「東京都制度」)を導入しました。2010年度から事業所が排出する温室効果ガスの総量に規制を設けています。

http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/large_scale/attachement/%E7%B7%8F%E9%87%8F%E5%89%8A%E6%B8%9B%E7%BE%A9%E5%8B%99%E3%81%A8%E6%8E%92%E5%87%BA%E9%87%8F%E5%8F%96%E5%BC%95%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81.pdf

新歌舞伎座もオフィス部分を含めてCO2排出量を少なくする設計にしているものと思われます。CO2排出量の少ない建物は、電気の使用量も少ないはずで、計画停電で節電が求められる中にあってビルに求められる機能といえます。

これまで、不動産鑑定においては、不動産の経済性、特に最近では収益性に着目して評価がなされる傾向が強かったのですが、これからは、耐震性能やCO2排出量等で相応の性能を求められるようになると思います。市場もそれを求めるでしょうし、政府も規制を強化することが予想されます。

また、震災当時に帰宅難民を経験した人は、地域の防災対策の有無も気になったことでしょう。

これから不動産鑑定を行うに当たって、これらの要素をしっかり調査し、場合によっては価格にも反映させることが期待されるようになってくるような気がします。

Akatsukilogo   

不動産鑑定士 四方田 修

http://akatsuki-rea.o.oo7.jp/

あかつき鑑定BLOGは、にほんブログ村「士業ブログ」に参加しています。

ランキングにご協力下さい。
クリック
↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村 士業ブログへ
にほんブログ村

|

« 賃貸等不動産の価格調査における東日本大震災の影響に関する評価上の取扱い | トップページ | 東日本大震災に対する震災支援税制発表 »

地域経済」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/564607/51315998

この記事へのトラックバック一覧です: 新歌舞伎座は銀座の防災拠点に(これからのビルに求められるもの):

« 賃貸等不動産の価格調査における東日本大震災の影響に関する評価上の取扱い | トップページ | 東日本大震災に対する震災支援税制発表 »