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2011年5月

東日本大震災が不動産投資市場に与える影響(自然災害)

一般財団法人日本不動産研究所が、「第24回不動産投資家調査(平成23年4月1日時点)」を発表しました。

http://www.reinet.or.jp/pdf/toushikacyousa/24press.pdf

今回は、「東日本大震災が不動産投資市場に与える影響」と「J-REIT 10年」の2本の特別アンケートを実施しています。

中でも注目したいのは、「今後新たにリスクの検討を行う余地のある自然災害(複数回答)」という項目で、「地盤の液状化現象」92%が最も多く、「津波・高潮」55%、「表層地盤の揺れやすさ」25%など地震に関連する項目に回答が集まっています。

私もBLOGでいろいろ書いていますが、「内陸部の我孫子市で液状化現象 」「東京都液状化地図」の2つの記事は、アクセス数が桁違いに多く、いかに多くの方が関心を寄せているかが、窺い知れます。

これだけ関心が高まっているのですから、当然今後の取引の中で価格に反映されていくことになるでしょう。出来ることなら、ボーリング調査を行うといいのですが、費用の問題もありますので、「東京都液状化地図」でも書きましたように、最低でも地歴調査(河川跡や沼地等の「低湿地」を埋め立てて造成された土地でないか。)、各自治体が発表している液状化予測図や地質柱状図の閲覧により、リスクを把握する必要があると思われます。

東京都の場合、下記のHPが参考になります。

『東京の液状化予測図』  (東京都土木技術支援・人材育成センター)

『東京の地盤(Web版)』  (東京都土木技術支援・人材育成センター)

『東京都 建物における液状化対策ポータルサイト』 (東京都都市整備局)H26.5.8追記

ハザードマップポータルサイト(国土交通省)

『地震のゆれやすさ全国マップ』内閣府

これらのページは誰でも簡単に閲覧できますので、当然誰でも知っているものとして、価格に反映されてくるはずです。

今後、地域要因の記載事項として一般化していくことでしょう。

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芦屋市の景観保全と地価動向

主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)の平成23年第1四半期(1/1~4/1)が発表されました。

なお、今回の調査では、東日本大震災により直接的な影響を受け、市場に空白期間が生じた4地区(仙台市3地区及び浦安市1地区)は対象から除かれています。

前回調査では、上昇地区が住宅系11地区、商業系5地区と、地価下落基調からの転換傾向が見られましたが、今回の調査では住宅系2地区にとどまり、震災の影響が響いた結果となりました。

今回上昇となったのは、いずれも兵庫県内の高級住宅街「岡本」と「JR芦屋駅周辺」の2か所です。

最初これを見た時、外資系企業を中心に震災から逃れる形で関西に本社機能を移す会社が役員の住宅用に買いを入れた、いわゆる「震災特需」かと思ったのですが、よく見ると、震災前の前回(平成22年第4四半期)も上昇を示しているので、「特需」ばかりではなさそうです。

前回調査の鑑定評価員のコメントを見ると、「阪神間において神戸市東灘区岡本・芦屋地区は需要に比較して供給が少なく、JR芦屋駅前に地区においては取引はより少ない。不動産市場の二極化がさらに顕著になり、人気エリアにおいては不動産市場は回復傾向にあり、取引価格は上昇傾向にある。」とあり、どうやら高級住宅街としての希少性が評価されていると言えるでしょう。

実は、10年前に芦屋市に隣接する西宮市深谷町(芦屋市とは岩園トンネルを挟んですぐお隣り)に、当時勤めていた銀行の社員寮があり、2年程住んでいたことがあるのですが、芦屋市の住環境の素晴らしさは、ちょっと東京にはみられないものでした。

北に六甲山地、南に大阪湾を臨んだ豊かな自然と、南に緩やかに傾斜する地形が特徴的で、管理の行き届いた庭の木々が街区の自然環境を育み、時代時代のデザインを取り込んだ家々は成熟した文化を感じさせ、芦屋を代表する風光明媚な街並みが広がっています。

特に昭和初期に豪邸用地として造成された六麓荘町は、電線は地中化や、マンション・商店等を作らせない等、独自の協定をつくって景観を守ってきました。

しかし、近年はバブル経済崩壊や世帯主の世代交代に伴い、資金調達や高額な相続税支払いのために土地や建物を手放すケースが続出して空き地が増加。協定に反して老人ホームの建設計画が持ち上がる等、住民の間で「紳士協定では守りきれない」との危機感を強めます。

強制力のある条例での保護を求める声が上がり、2006年、敷地面積400㎡以上、高さ10m以下の一戸建て新築住宅以外の建設を禁止する景観保護条例案を成立させます。

400㎡・・・というとマンション敷地または一戸建てが4,5棟建つ広さです。

同じ様に、JR芦屋駅前の住宅街である大原町では、周囲の景観と調和しないという理由で5階建て高さ15mのマンション計画を、景観条例に基づき不認定とし、その後建物の高さを12m以下に制限する等の地区計画が決定されました。

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一般的には、規制が強まると地価は下がると思われがちですが、この逆風下に全国で唯一の地価上昇を示しているのですから、規制による街並みの保全が、資産価値向上にも寄与していることを雄弁に物語っています。

先日、芦屋に行く機会があり、私の住んでいた西宮市西部(阪急甲陽線苦楽園口駅から岩園トンネル辺り)を歩いたのですが、昔豪邸だった場所がマンションになったり、分割されて戸建て分譲されたりしている姿を少なからず目にしました。若い人が増えたのに対応してか、それまで少なかったコンビニやドラッグストア等も増え、トンネルを挟んで西側にある芦屋とはだいぶ雰囲気が変わっているのに驚きました。

規制を強化して街並みを守る決断をした芦屋市と、変わりゆく西宮市。2つの街が今後どのように推移していくのか、注目していきたいと思います。

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【ホテルの評価】東京のホテル 稼働率最低

日本経済新聞社が東京都内の主要19ホテルの客室稼働率を調べたところ、4月は40.5%と3月の49.8%をさらに9.3ポイント下回り、調査記録が残る1991年以降、2カ月続いて最低を更新しました。観光庁によると、東日本大震災で3月と4月分のホテルや旅館の宿泊予約のキャンセルは、東北地方で61%、関東地方で48%など、全国で36%に上っていて、東日本大震災や原子力発電所の事故の影響で外国人観光客が落ち込んだのが響いています。

風評被害といって片付けてしまえば、それまでですが、思い起こせば日本人も海外でテロが頻発すれば海外旅行を自粛するし、毒入り餃子事件の時は中国産品を食べなかったりと、身に覚えがあるところが、痛し痒しでしょうか?ここは、ひとつ「それでも、来たい!」と思わせる国になるよう努力するしかありません。

ホテルはある意味、装置産業の一種で、稼働率が低いと設備の維持が図れませんので、割引料金で顧客誘致を図って稼働率を高めたり、中には採算が合わず休業するホテルも出て来ました。

閑話休題。

ホテルの評価についてお話したいと思います。

ホテルのように、事業上の潜在価値を有し、土地・建物のみの価値以上の市場価値を持つ不動産を「事業用不動産」と言います。

事業用不動産は、通常、稼働中の収益資産として事業収益力に着目して売買されます。

最近では、不動産証券化市場の拡大に伴い、資産保有と経営が分離する傾向にあり、土地あるいは建物のオーナーと事業者が異なり、賃貸借の形態をとるケースが多く見られます。この際の賃借料は、通常、事業収益に基づく「負担可能賃料」により決定されます。

事業収益については、ユニフォームシステムというホテルの統一会計基準により、比較可能性が高く、シティホテル、ビジネスホテル等、ホテルの種類毎に、客室の稼働率や販売単価、各種経費の指標が示されており、収益・費用の水準が把握しやすくなっています。

これにより求められた営業利益(GOP)から、オペレーターフィーや賃借人利益留保分相当額(ホテル経営会社の適正利益部分)を控除したのが「負担可能賃料相当額」となります。

負担可能賃料が求められれば、後は通常の賃貸事業と同じように建物の維持管理に必要な必要諸経費等を控除して、純収益を求め、還元利回り(キャップレート)で割り戻せば価格が求められ、また建物に帰属する純収益を控除すれば、「地代」が求められます(地代残余法)。

近年ではREITに組み込まれるホテルも散見されるようになり、それらの有価証券報告書を見ることによって、ホテルの賃貸収益・費用や取得金額、還元利回りの水準を捉える事が出来るようになり、以前よりわかりやすい、説得力のある鑑定評価が行えるようになりました。

このような評価方法の場合、ホテルの事業収益の内、「客室売上高」については、ADR(平均客室単価)×Occ(稼働率)で示されます。

現在のように「稼働率(Occ)」が大幅に低下したり、割引料金を導入(ADRの低下)したりすると、事業収益の将来予測に大きな影響を与えます。

これからホテルの評価を行う場合、稼働率の低下がいつまで続くのか?また、ホテル投資へのリスクはキャップレートにどのように反映されるか等、十分な説明義務が課されるようになります。引き続き、動向を注視していきたいと思います。

【関連記事】

ホテルREITの変動賃料制と運営委託方式

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期待利回り

【DCF法】取引事例比較法とキャップレート

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「全壊建物及びその敷地」という類型(罹災都市借地借家臨時処理法)

以前、こちらで紹介しました一般財団法人日本不動産研究所の、不動産調査2011年臨時増刊号「不動産研究月報『阪神大審査に関する土地評価(復刻版)』」のP.25(イ)評価の条件 のところに、次のような文言があります。 

全壊または滅失の建物は、単独借家人がいた場合には特に臨時処理法に規定する借地人発生の有無を調べること。この場合の類型は底地となることもあるので、借地権の発生が見込まれる時には「全壊建物及びその敷地」として借地権(10年定期)価格を上限にこの範囲内で、一体の市場性減価を考える必要がある

「類型は底地となることもある」とか、借地権(10年定期)価格を上限にこの範囲内で、一体の市場性減価を考える必要がある」等が妙に引っ掛かるので、少し調べてみました。

「臨時処理法」とは、「罹災都市借地借家臨時処理法」のことで、そもそもは、戦争を想定した法律のようです。

一般的には、賃貸借契約の目的物である借家が倒壊し、使用することが不可能になった場合、賃貸借契約は当然に終了し、借家人の借家権も消滅することになります。

ただし、罹災都市借地借家臨時処理法が適用される場合、借家人には、(1)優先借地権(同法2条)、(2)借地権優先譲受権(同法3条)、(3)再築建物の優先借家権(同法14条)が認められる可能性があります。

このうち(1)優先借地権は、借家人が、建物の敷地部分の土地所有者に対して、政令施行の日から2年以内に、賃借の申出をすることにより、他の者に優先して、相当な借地条件で、その土地を賃借することができる(存続期間10年間)というものです。

ただし、その土地について、別に借地人がいるときや、権原により現に建物所有の目的で使用する者があるとき等は、申出をすることができません。
また、土地所有者は、正当な事由があれば、拒絶の意思表示をすることができます。拒絶の意思表示がなされると、優先借地権は設定されません。

どうやら、これのことを言っているようです。臨時処理法の適用下で、全壊建物の借家人が申し出により借地権を得ることができるのです。存続期間が10年間ということで、鑑定評価では、10年の定期借地権付きの底地の評価額が上限になるということです。

具体的な評価は、10年分の地代にかかる純収益の現在価値と10年後の復帰価格の現在価値を計算することになるのですが、実際に借地条件がどのように運用されるのかによって評価の内容も変わってきます。

借地条件については、当事者間の協議によって決めることになりますが、協議が調わないときは、申立てにより、裁判所が定めることになります(罹災都市借地借家臨時処理法15条)。
なお、平成7年に発生した阪神・淡路大震災の際にも罹災都市借地借家臨時処理法が適用されましたが、このときは、土地所有者側に建物を再建する具体的な計画があり準備をしていれば、再度の借家を予定していなくても、申出拒絶の正当事由が広く認められる運用がなされ、また、優先借地権が成立する場合でも、借地条件として定められる一時権利金が高額に設定される運用がなされました。、阪神淡路大震災の例などを参考に分析する必要がありそうですね。

【関連記事】

罹災都市借地借家臨時処理法に係る借地権の権利金

被災地の評価

東日本大震災が不動産投資市場に与える影響(自然災害)

鑑定評価における「重要な後発事象」の扱い

賃貸等不動産の価格調査における東日本大震災の影響に関する評価上の取扱い

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鉄道と地域要因の変化(JR大阪三越伊勢丹と阪神大震災)

5月4日にJR大阪三越伊勢丹が開業しました。JR大阪駅から直結した新駅ビルには、一日平均20万人が来場するそうです。

大阪梅田と言えば、これまでは阪急でした。「阪急うめだ本店」の歴史を遡れば1920年に東京の日本橋白木屋(今のcoredo日本橋ですね。)を「出張売店」として招致して開店した世界初の駅ターミナル・デパートで、1929年に鉄道会社直営となり、日本初の電鉄系百貨店です。

そんな老舗の阪急百貨店も、今回の三越伊勢丹の開業を指をくわえて見ていたわけではありません。全面建て替え計画を発表、地上41階、地下2階(高さ187メートル)、延床面積が25万2千㎡の新ビルを建設し、阪急うめだ本店は同ビルの低層階部分(地上13階~地下2階)の営業面積8万4千㎡の日本最大級の百貨店に生まれ変わり、JR三越伊勢丹連合を迎え撃つ予定でした。

しかし、2012年春完成予定であった計画は、地下の構造物の撤去に予想以上に期間を要し、地盤整備工事が構想通りに進捗していないとして、2012年度中の完成予定に延期することとなってしまいました。スピードが勝負のこの業界。建て替え工事が長引くと、お客さんが三越伊勢丹=JR大阪駅の方に定着してしまう可能性もあります。

関西は、私鉄の競合が激しい地域です。阪神間は、海岸線からわずか数キロの範囲に阪神、JR(国鉄)、阪急が並行して走る大激戦区。そんな中、鉄道輸送と流通(百貨店)の相乗効果で沿線開発を行う阪急(山側)、阪神(海側)に対し、真ん中に挟まれた国鉄は、各駅間の距離も長くちょっと競争の蚊帳の外にいる感じでした。

しかし、1995年に阪神大震災が発生すると状況が一変。高架率の高かった阪急、阪神は、高架下利用者との交渉、沿道倒壊家屋などから復旧に時間を要している間に、いち早く運転を再開したJRは輸送客数を増やしていきました。

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民営化による競争意識の高まりもあって、新型車両投入や新駅開設等のサービスも向上しました。(逆にスピード競争の行き過ぎが、JR宝塚線の事故を起こしたのも記憶に新しいところです。) この結果、輸送人員の移動は一時的なものにとどまらず、多くの利用客がJRに乗り換えました。

そして、今回の新駅ビルの開店で、JRの相対的な地位がさらに高まることが予想されます。バブル期をピークに輸送人員の落込みに悩む私鉄各社にとって、JRの台頭は頭の痛いところでしょう。

関東でも、これまで流通とは無縁と思われていたJRや東京メトロが、駅中の開発に注力するようになって、百貨店を脅かしています。こういったサービス競争は沿線イメージの向上につながり、ひいては沿線の不動産価格に影響を与えることになるかもしれません。

また、今回の東日本大震災では、3月11日は鉄道各線運休が相次ぎ、多くの帰宅難民を生み出しました。その後、運休は長期に及ぶことはありませんでしたが、当日中に運転再開した路線と、早々と当日中の復旧はないとして駅から乗客を締め出した路線とでは、イメージが違ったと思います。安全と利便性という二律背反の課題ですが、今回は早く復旧した鉄道会社が点数を稼いだ形になったようです。

阪急は、先日神戸阪急の閉店を発表しました。競争が激化する梅田に経営資源を集中させるのが目的と言われていますが、この果てしなく続く戦いの行方に注目していきたいと思います。

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リニア中央新幹線で静岡県が活性化!?

百貨店から家電量販店(新宿三越アルコット閉店)

数寄屋橋阪急(モザイク銀座阪急)の立退料は60億円

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百貨店から家電量販店(新宿三越アルコット閉店)

三越伊勢丹ホールディングスは、12日、テナント集積型店舗の都市型ファッションビル「新宿三越アルコット店(旧三越新宿店)写真上」を平成24年3月末日に閉店し、家電量販店「ビックカメラ」に一括賃貸することを発表しました。(ビックカメラは平成24年7月5日開店しました。写真下)

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新宿三越は、1929年開店の老舗。バブル景気に沸く1991年には最上階に美術館を備える南館を開業し、当時は話題を集めた。しかし、バブル崩壊の影響により1999年南館は閉館し、大塚家具に一括賃貸。2005年には本館も業態転換し、雑貨専門館アルコット店として再スタートを切りました。高級ブランドのティファニーやルイ・ヴィトンの他、6~7F部分にジュンク堂書店が入り、比較的家賃負担能力が低いといわれていた書店の一等地への進出は大きな話題となりました。

ターミナル駅の駅前と言えば、百貨店と相場が決まっていましたが、近年百貨店の閉店のニュースが続いています。これに代わって、駅前一等地の主役として上がって来たのが家電量販店です。

百貨店跡地への家電量販店と言えば、池袋三越(~2009年、ヤマダ電機)、吉祥寺三越(~2006年、ヨドバシカメラ)、横浜三越(~2005年、ヨドバシカメラ)等、三越だけでもこれが4例目。銀座に程近い有楽町では、駅前のそごう跡地へのビックカメラが出店し、有楽町西武(マリオン)跡地へも家電量販店の進出が噂されました(結局ルミネが入居)。

駅前のまとまった面積の建物は、繁華性の高さからとても収益性が高いことが知られていますので、家賃負担能力の高い業種が利用することが必然です。これまで、百貨店は圧倒的な収益力を誇っていましたが、最近では状況が変わってきたようです。

日本経済新聞の調査によると、大手小売りの売り場効率(直近の半期の店舗売上高を売り場面積で割って算出)を見ると、百貨店は高島屋73.9万円、H2O(阪急等)62.0万円で、三越伊勢丹HD傘下の三越は52万円でした。これに対し、家電量販店トップのヤマダ電機は62.0万円で、都市型店舗に特化しているビックカメラは133.0万円と100万円を大きく上回っています。

新宿アルコット店は売り場面積2万㎡、2001年3月期の売上高は114億円ですので、同じ様に売り場効率を求めると28.5万円です。ターミナル駅周辺のファッションビル等の売り場効率は40~50万円/月坪(前記計算に換算すると70~90万円)と言われていますので、閉店もやむなしというところでしょうか?

しかし、新宿の景色も変わったものです。

昨年、業界首位のヤマダ電機が東口に大型店舗を出店。さらに西口甲州街道沿いにも新店舗を建築中で、ヨドバシカメラも駅前のバスターミナルの入っている商業ビルを買収して、新店舗建設を計画している(既に一部開業済)といわれています。そして、今回のこのニュースです。

今後、競争が激化することが予想されますが、同業種の集積による集客力向上も期待され、秋葉原に代わって電気の街へと変貌していくかもしれませんね…。

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共有持分の鑑定評価における他の共有者の信用判定

共有持分の鑑定評価の依頼を受けることがあります。
よくあるのが相続によるもので、相続開始後、遺産分割が行われない状態では、相続財産は相続人間の共有になるため、これをだれか一人が単独で引き継いで完全所有権にまとめる時に、他の共有者との間で売買する際の価格を求めるというものがほとんどです。

当事者間で円満に解決しましょう…という場合は、当該不動産の完全所有権について評価を行い、持分割合に応じて配分すればよいのですが、協力関係がこじれたり、協力関係にない第三者が絡んでくるといろいろと問題が生じます。

共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で行うものとされているため(民法第252条)、持ち分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営についての意向を反映させることが出来ない可能性があります。また、共有者はその持ち分の割合に応じて、共有物全体を利用することが出来るため(民法第249条)、他の共有者による権利行使によって、当該不動産の保有または利用が妨げられるおそれがあります。

こうなると、持分2分の1を持っているから時価の半分で・・・という風に簡単にすまないケースも出てきます。実際、土地や建物の共有持分が市場で売買される場合、完全所有権に対する持分の割合に比べて、相当に低い価格でしか売れません。だからタダ同然かというと、必ずしもそうではなく、不動産の共有持ち分が競売等にかかると、意外にもそれなりの金額で応札して来る人(不動産ブローカー等)がいたりするので、ちゃんと適正な価格を求める必要があります。

【関連記事】共有持分の競売(第三者による取得)とその対策

共有持分の価格を査定する際には、先ほど説明した管理・運営だけではなく、様々なリスクについて検討する必要があります。

共有物には、他の共有者から共有物全体に対する分割請求権を行使される可能性(民法第256条)があります。その際、共有物の分割について協議が調わず、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所により共有物全体の競売を命じられて、共有物全体が処分される可能性があります(民法第258条第2項)。

つまり意図せず、当該不動産を手放さなければならなくなることもあるのです。

したがって、共有持分の評価に当たっては、共有者間の協調関係や共有物の分割可能性、分割による価値の減少の程度等について把握する必要があります。なお、分割請求権を行使しない特約は有効(要登記)ですが(民法第256条)、この特約は5年を超えて効力を有しませんので、特約が有効な期間を確認しておく必要があります(この特約は更新可能です)。

また、特約が有効な場合でも、共有者について倒産手続き(破産手続、会社更生手続または民事再生手続)の対象となった場合、管財人等はその換価処分権を確保するために、分割請求が出来るとされています。即ち他の共有者の信用状態についても把握しておく必要があるでしょう。

他の共有者の信用状態が悪化している場合には、さらに予期せぬ権利の喪失や義務の負担を強いられることがあります。

共有者と共同して不動産を第三者に賃貸している場合、賃貸借契約に基づく各共有者の権利が不可分債権とみなされ、当該賃貸借契約に基づく全体が当該共有者の債権者などによる差押等の対象となる可能性があります。例えば、賃料徴収債権が不可分と見なされて全体が差し押さえられることにより、差し押さえを受けているのは自分ではないのに賃料を受け取れないことになります。

また、持分2分の1ずつで、敷金を百万円預かっている場合、一般的には半分の50万円のみ敷金返還債務を負うはずですが、賃貸借契約に基づく敷金返還債務が共有者間の不可分債務と見なされた場合には、賃借人に対して債務全額を負担する可能性があります。
この他、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払または積立について、他の共有者が負担できない場合に、不動産の維持のために超過負担が生じることも考えられます。

以上の通り、権利関係が同じでも、他の共有者の信用力が劣る場合、他の共有者の信用力に問題がない場合に比べて、共有持分の価格は異なることになります。

ですので、不動産の共有持分の評価を行う場合は、他の共有者の属性や信用状態についてしっかり分析して、価格に反映する必要があるでしょう。

【関連記事】

共有持分の競売(第三者による取得)とその対策

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尾瀬と東京電力

「夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 遠い空『夏の思い出(江間章子作詞・中田喜直作曲)』」

原発事故で、世論の厳しい荒波にのまれている東京電力ですが、平成19年に29番目の国立公園に指定された「尾瀬国立公園」で、約3万7200ヘクタールのうち、群馬県側の約1万6千ヘクタールを所有し、環境保護などのために毎年約2億円を拠出。木道の管理や湿原の回復などの環境整備を行っていることは、あまり知られていません。

尾瀬を散策したことがある方なら、「東電小屋」という山小屋の名前を耳にしたこともあると思います。

(以下、東京電力のHPより抜粋)
“もともとは、尾瀬の豊富な水を発電に生かそうと、1916年(大正5年)、当時の電力会社(利根発電)が尾瀬の群馬県側の土地(群馬県側だけは当時から私有地となっていた。福島・新潟県側は当時も今も国有林)を取得、1922年(大正11年)には関東水電が水利権(河川や湖沼の水を利用する権利)を取得しました。

しかしながら、度重なる戦争や震災で大規模な開発が難しかったこと、また、当時から尾瀬の自然は守るべきだという声が強く、政府内も二分されていたことなどがあり、計画が実現しないまま、尾瀬は1951年(昭和26年)の東京電力設立時に、前身の会社から引き継がれたのです。それが、尾瀬と東京電力の出会いの始まりです。現在、尾瀬国立公園全体の約4割、特別保護地区の約7割の土地を所有しています。

荒廃したアヤメ平昭和30年代後半に、尾瀬の美しさにひかれてやってくるハイカーの数が増えるにつれて、また、当時は木道や公衆トイレなどの設備が整っていなかったため、尾瀬の自然は瞬く間に荒廃していきました。東京電力は、その頃から、一度失われた自然を守ろうと、尾瀬の“自然保護”に力を注ぐようになったのです。踏み荒らすことなく、人と自然が触れ合えるように約20km(全長65km)にわたる木道の敷設やアヤメ平の湿原回復作業などに取り組んでいます。”

「なんだ、元々はダムの底に埋めるつもりだったのか!?」…なんていう少し辛辣な意見も聞こえてきそうですが、冬が来るたびに傷んで修復が必要な木道を地道に直してくれているのは、何を隠そう東京電力さんなのです。実際に、東京電力に入社した若手社員は、社員研修の一環として、尾瀬でこういった活動に参加していると聞きました。

近年、多くの登山客が押し寄せ、ごみやトイレの汚水問題等で、尾瀬の自然も破壊されているといわれていますが、それでも尾瀬ヶ原を囲む山々から見下ろす箱庭のような景色は、日常の嫌なことをすべて吹き飛ばしてくれるほどの絶景で、自然の尊さを実感出来ると思います。

今回の原発事故の対応では、組織の性格上、いろいろと問題が露呈してしまいましたが、その一方で、こうしている間にも、電気の安定供給のため、尾瀬の自然を守るために、日々努力してくれている方々がいることに感謝したいと思います。

【関連記事】

【地代】『山小屋はいらないのか』

都市と水

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被災地の評価

一般財団法人日本不動産研究所のホームページに、不動産調査2011年臨時増刊号として「不動産研究月報『阪神大審査に関する土地評価(復刻版)』」が掲載されています。

http://www.reinet.or.jp/pdf/report/lib_380.pdf

被災地の鑑定評価の方法について、具体的に示されていて、実務に即時活用可能な内容です。

特に、取引事例比較法、収益還元法、開発法についての解説は、不動産鑑定士が被災地の鑑定評価を行う際に基準とすべき指針を示しています。

取引事例比較法については、震災格差修正を取り上げていて、震災による価格変動要因として、「鉄道」、「高速道路」、「地盤・液状化」、「港湾機能」、「商店街・客足」、「建物密度・環境(町目単位)」、「復興促進区域」、「地区計画の区域」、「建築制限区域84条・都市計画事業」、「震災後遺症」を挙げていて、用途的地域毎に格差率を示した「震災格差表」も掲載されています。

収益還元法については、留意事項として、震災後の需給変化(特に賃料)や建築費の変化、未収入期間、建築待機期間について、注意点を挙げ、解説しています。

被災地においては、特に賃貸住宅に対する需要が大きいので、空室率が低くなるというのは、注意すべき点だと思います。

開発法は、壊滅的被害を受けた地域について、特に重視される手法となるでしょう。復興に向けての法的な制限(特に建築制限による建築待機期間)や、逆に瓦礫の撤去には補助金が出ること等、注意すべき点が詳しく書かれています。

一般的要因や地域要因の記載方法も参考になります。

これから、被災地の鑑定評価の仕事が増えることが予想されますが、不動産鑑定士によって評価がぶれると、業界にとっても信用問題になりますので、このような指針が示され、一定の方向性を持って評価を行っていくことは重要だと思います。

日本不動産研究所は、5月2日付で一般財団法人へと移行しましたが、公益的な法人としてこういった活動をしていくことは、業界にとっても非常に有益なことで、これからもぜひ頑張っていただきたいです。

〔追記1〕

さらに、詳しい地域要因の分析方法について、

2011年7月号 NO.381「不動産調査」

東日本大震災に関する土地評価(震災が地域要因に及ぼす影響)

が、掲載されています。とても参考になります。

〔追記2〕

日本不動産鑑定協会より、運用指針が発表されました。

東日本大震災の被災地における不動産の価格等調査のための運用指針(No.1)

「東日本大震災の被災地における平成23年都道府県地価調査のための運用指針」(会員外用)

【関連記事】

東日本大震災の被災地における不動産の価格等調査のための運用指針

震災と土壌汚染

東日本大震災が不動産投資市場に与える影響(自然災害)

「全壊建物及びその敷地」という類型(罹災都市借地借家臨時処理法)

鑑定評価における「重要な後発事象」の扱い

陥没

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不動産鑑定士 四方田 修

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姉妹都市「共助の時代」

5/9付日経新聞社説「新しい日本を創る(最終回)」に、東日本大震災における自治体の奮闘ぶりが紹介されていました。

記事は、壊滅的被害を受けた南相馬市と相互応援協定を結んでいた杉並区のことを取り上げています。

私の実家がある流山市も、お隣りの相馬市と姉妹都市を結んでいて、震災の翌日には支援物資を送っています。

http://www.city.nagareyama.chiba.jp/top/jouhoukan/1103/jisin.htm

今回の地震は、被害範囲があまりにも広く、いざ救援や物資の輸送をしようにも、どこから手を付けていいのかわからずに支援が遅れてしまうということがありました。

そんな時、こういった自治体同士の特別な関係というのは、そういった調整を抜きにして、「いの一番」に駆けつけてくれるので心強いものです。

日経の記事では、自治体ごとに支援策を割り振る「対口支援」という方法だと解説されていました。2008年の四川大地震の際に、中国政府が採用した手法だそうです。

そういえば、サッカーのワールドカップが日本(と韓国)で開催された際、カメルーン代表がキャンプ地としていた大分県中津江村(現:日田市中津江村)との心温まる親交が報道されましたが、2010年の南アフリカ大会で日本とカメルーンが対戦した際も、旧中津江村では住民がカメルーンを応援する等、今でも親しい関係にあるのはあまりにも有名です。

こういった地域と地域、1対1での関係というのは、災害などの緊急時に非常に心強いものです。

若い頃、バックパックを担いで海外を旅行しましたが、日本人ということで、よく声をかけられました。それは、それまでに出会った日本人が尊敬されるに値する態度で外国と接してきた成果だと思い、自分も出来る限り旅行中は良い人であろうと努力したものです(実際に良い人であったかは自信がありませんが…)。 

多額の義援金や世界中の励ましの声を聴くにつけ、まだまだ日本は尊敬されているのでしょうね。金額の多寡はあっても、世界中のありとあらゆる地域から支援の声が寄せられていることは素晴らしいことです(アフガニスタンから義援金をもらえる国等、世界中にどれだけあることでしょう!?)。

「情けは人のためならず」といいますが、最後は人と人の助け合いが一番の大きな力になるのでしょうね。

【関連記事】

創造都市

内陸部の我孫子市で液状化現象

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不動産鑑定士 四方田 修

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期待利回り

賃料を求める手法の中に「積算法」という手法があります。

「積算法は、対象不動産について、価格時点における基礎価格を求め、これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料(積算賃料)を求める手法である。(不動産鑑定評価基準)」

積算法は、基礎価格(=投下資本)に利回りを乗じて求めるのですから、賃貸人の収益性の確保に比重を置いた手法と言えます。

この時、よく問題になるのが「期待利回り」です。

「その期待利回りはどうやって求めたのですか?」と根拠を求められることがあります。

不動産鑑定評価基準においては、「期待利回りを求める方法については、収益還元法における還元利回りを求める方法に準ずるものとする」と記載されています。

収益還元法における還元利回りを求める方法は、

(ア)類似の不動産の取引事例との比較から求める方法

(イ)借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法

(ウ)土地と建物に係る還元利回りから求める方法

(エ)割引率との関係から求める方法

(オ)借入金償還余裕率の活用による方法

が例示されていますが、やはり説得力のある形で根拠を示そうとすれば、投資家等の意見や整備された不動産インデックスを活用して説明するのが有効です。

中でも、半年毎にオフィス、レジデンス、商業施設、物流施設と多様な期待利回りを公表している一般財団法人日本不動産研究所の発表している「不動産投資家調査」は、とても便利です。

アセットの種類だけでなく、地域毎の期待利回りも調査していますので、地域要因によるリスク格差も一目でわかります。

最近は公表していませんが、2005年4月分の調査までは、「期待利回りの格差について」という項目で、「築年数」や「建物の規模」「テナント構成」等による格差(スプレッド)も発表していました。

それによると、築5年以内を標準として、築5年以上10年未満が+0.2、築10年以上20年未満が+0.5、築20年以上(新耐震基準対応)+0.7、築20年以上(新耐震基準未対応)+1.2 となっていて、意外と築年数に対するリスクをよく見ているのがわかります。

もちろん、不動産は個別性が強いので、これを機械的に当てはめればいいということは無いのでしょうが、ひとつの基準として参考になります。

ここで、ひとつ注意ですが、この調査で発表している期待利回りは、NOIに対する利回りで、減価償却前の利回りです。

賃料の鑑定評価においては、一般的に「必要諸経費等」の中に減価償却費が含まれていますので、採用される期待利回りは減価償却後の利回りとなります。

…ですので、採用に当たっては減価償却費を純収益に含めて再計算する必要があります。東京都心では基礎価格の中に建物の占める割合がとても低いのですが、注意が必要です。

【関連記事】

【DCF法】取引事例比較法とキャップレート

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