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被災地の評価

一般財団法人日本不動産研究所のホームページに、不動産調査2011年臨時増刊号として「不動産研究月報『阪神大審査に関する土地評価(復刻版)』」が掲載されています。

http://www.reinet.or.jp/pdf/report/lib_380.pdf

被災地の鑑定評価の方法について、具体的に示されていて、実務に即時活用可能な内容です。

特に、取引事例比較法、収益還元法、開発法についての解説は、不動産鑑定士が被災地の鑑定評価を行う際に基準とすべき指針を示しています。

取引事例比較法については、震災格差修正を取り上げていて、震災による価格変動要因として、「鉄道」、「高速道路」、「地盤・液状化」、「港湾機能」、「商店街・客足」、「建物密度・環境(町目単位)」、「復興促進区域」、「地区計画の区域」、「建築制限区域84条・都市計画事業」、「震災後遺症」を挙げていて、用途的地域毎に格差率を示した「震災格差表」も掲載されています。

収益還元法については、留意事項として、震災後の需給変化(特に賃料)や建築費の変化、未収入期間、建築待機期間について、注意点を挙げ、解説しています。

被災地においては、特に賃貸住宅に対する需要が大きいので、空室率が低くなるというのは、注意すべき点だと思います。

開発法は、壊滅的被害を受けた地域について、特に重視される手法となるでしょう。復興に向けての法的な制限(特に建築制限による建築待機期間)や、逆に瓦礫の撤去には補助金が出ること等、注意すべき点が詳しく書かれています。

一般的要因や地域要因の記載方法も参考になります。

これから、被災地の鑑定評価の仕事が増えることが予想されますが、不動産鑑定士によって評価がぶれると、業界にとっても信用問題になりますので、このような指針が示され、一定の方向性を持って評価を行っていくことは重要だと思います。

日本不動産研究所は、5月2日付で一般財団法人へと移行しましたが、公益的な法人としてこういった活動をしていくことは、業界にとっても非常に有益なことで、これからもぜひ頑張っていただきたいです。

〔追記1〕

さらに、詳しい地域要因の分析方法について、

2011年7月号 NO.381「不動産調査」

東日本大震災に関する土地評価(震災が地域要因に及ぼす影響)

が、掲載されています。とても参考になります。

〔追記2〕

日本不動産鑑定協会より、運用指針が発表されました。

東日本大震災の被災地における不動産の価格等調査のための運用指針(No.1)

「東日本大震災の被災地における平成23年都道府県地価調査のための運用指針」(会員外用)

【関連記事】

東日本大震災の被災地における不動産の価格等調査のための運用指針

震災と土壌汚染

東日本大震災が不動産投資市場に与える影響(自然災害)

「全壊建物及びその敷地」という類型(罹災都市借地借家臨時処理法)

鑑定評価における「重要な後発事象」の扱い

陥没

Akatsukilogo   

不動産鑑定士 四方田 修

http://akatsuki-rea.o.oo7.jp/

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