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期待利回り

賃料を求める手法の中に「積算法」という手法があります。

「積算法は、対象不動産について、価格時点における基礎価格を求め、これに期待利回りを乗じて得た額に必要諸経費等を加算して対象不動産の試算賃料(積算賃料)を求める手法である。(不動産鑑定評価基準)」

積算法は、基礎価格(=投下資本)に利回りを乗じて求めるのですから、賃貸人の収益性の確保に比重を置いた手法と言えます。

この時、よく問題になるのが「期待利回り」です。

「その期待利回りはどうやって求めたのですか?」と根拠を求められることがあります。

不動産鑑定評価基準においては、「期待利回りを求める方法については、収益還元法における還元利回りを求める方法に準ずるものとする」と記載されています。

収益還元法における還元利回りを求める方法は、

(ア)類似の不動産の取引事例との比較から求める方法

(イ)借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法

(ウ)土地と建物に係る還元利回りから求める方法

(エ)割引率との関係から求める方法

(オ)借入金償還余裕率の活用による方法

が例示されていますが、やはり説得力のある形で根拠を示そうとすれば、投資家等の意見や整備された不動産インデックスを活用して説明するのが有効です。

中でも、半年毎にオフィス、レジデンス、商業施設、物流施設と多様な期待利回りを公表している一般財団法人日本不動産研究所の発表している「不動産投資家調査」は、とても便利です。

アセットの種類だけでなく、地域毎の期待利回りも調査していますので、地域要因によるリスク格差も一目でわかります。

最近は公表していませんが、2005年4月分の調査までは、「期待利回りの格差について」という項目で、「築年数」や「建物の規模」「テナント構成」等による格差(スプレッド)も発表していました。

それによると、築5年以内を標準として、築5年以上10年未満が+0.2、築10年以上20年未満が+0.5、築20年以上(新耐震基準対応)+0.7、築20年以上(新耐震基準未対応)+1.2 となっていて、意外と築年数に対するリスクをよく見ているのがわかります。

もちろん、不動産は個別性が強いので、これを機械的に当てはめればいいということは無いのでしょうが、ひとつの基準として参考になります。

ここで、ひとつ注意ですが、この調査で発表している期待利回りは、NOIに対する利回りで、減価償却前の利回りです。

賃料の鑑定評価においては、一般的に「必要諸経費等」の中に減価償却費が含まれていますので、採用される期待利回りは減価償却後の利回りとなります。

…ですので、採用に当たっては減価償却費を純収益に含めて再計算する必要があります。東京都心では基礎価格の中に建物の占める割合がとても低いのですが、注意が必要です。

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不動産鑑定士 四方田 修

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