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銀座6丁目再開発~これからの銀座を占う

6/7付の日本経済新聞朝刊によると、森ビルとJ・フロントリテイリング(JFR)は、松坂屋銀座店周辺を再開発し、2016年にも銀座地区最大の商業施設を出店する方針を固めました。

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再開発の対象となる敷地面積は約1.4haで、2013年までに松坂屋銀座店を閉店し、中央通り側の9,000㎡にオフィス、多目的ホールなども有する複合ビルビル(地上12階、地下6階、総延床面積約14万㎡)を建築、その内、店舗面積は4万~4万5千㎡(現在の銀座店の高さは31mで売り場面積は約2万5千㎡)で、先日増床改装した三越銀座店約3.6万㎡を上回り、銀座地区最大の商業施設となります。

新しいビルは、屋上緑化や電気自動車用充電設備付き駐車場の設置等の環境対策や、防災備蓄倉庫、帰宅困難者一時収容施設の設置などの防災対策も提案。地下鉄銀座駅からあづま通り部分に地下道を新設し、新たな歩行者動線を導入する計画案も盛り込まれています。総事業費は800億~900億円と報道されています。

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この計画は2002年、森ビルと松坂屋の共同出資による企画調査会社「株式会社銀座都市計画」を設立して再開発計画に着手、ホテル等が入る高さ約190mの超高層ビルの計画を発表しましたが、同地区の景観を守りたい地元との協議が難航し、計画は大幅な見直しを迫られました

銀座の建物は戦後復興の1960年代までに建設されたものが多く、当時の建築基準法により高さ31mに制限され、統一された景観を形成してきました。この優れた景観を守るため、1998年に地区計画「銀座ルール」を制定し、建物の最高高さを道路幅に応じて13~56mに制限しました。

2002年に都市再生特別措置法の「緊急整備地域」に指定され、容積率が大幅に緩和されると、銀座においても再開発による建物の高層化の機運が高まることとなり、この松坂屋周辺の再開発や、歌舞伎座の高層化計画が明らかになります。2005年には都市計画法の特定街区制度を活用して銀座八丁目に121mの銀座三井ビルディングが建設されました。

こうした動きを受け、銀座ルールの見直しが進められます。2006年には、昭和通りより西の銀座中心部では一切の例外を禁止して建物の高さを56mに抑え、今まで規定のなかった屋上広告についても最大で10mまでとする新しい銀座ルールが施行されました。

一方で、昭和通りより東では、区長が「文化等の維持・継承に寄与する大規模開発」と判断した場合に限って56mを超える建物の建設が許可されることになり、歌舞伎座の再開発は認められます。

(関連記事:新歌舞伎座は銀座の防災拠点に(これからのビルに求められるもの)

この新しい銀座ルールにより、ホテルを含めた超高層ビルの建築計画は、建築規制に合わせたものへと再検討されます。高さを56m(広告塔を入れて66m)に抑えた結果、各フロアーの面積が広くなることで、店舗やオフィスとしての価値が高まることとなり、商業施設とオフィスを中心とした建物へと用途が見直されることになりました。(この辺りは最有効使用の判定において非常に参考になりますね。)

しかし、現在銀座・有楽町地区は、増床された三越や、有楽町西武跡地へのルミネ進出等、競争は熾烈です。

新店舗には、JFRの百貨店の他、国内外の有力百貨店を誘致し、大型観光バスの停留所も作る計画とのことですが、これは外国人観光客を意識した計画でしょう。

松坂屋銀座店といえば、昨年11月に、の6階部分(1,326㎡)に家電量販店LAOXが進出して話題になりました。有楽町駅前のビックカメラと比べて非常に小さな売り場面積にもかかわらず進出を決意したのは、「銀座ブランド」により外国人観光客を積極的に取り込むことで競合が可能との判断によるものです。これも景観の保全によるブランド維持の結果と言っては言い過ぎでしょうか?

東日本震災の影響により外国人観光客が大幅に減少していますが、いずれ賑わいは戻ってくるはずです。

規制緩和の流れに逆行して、大規模開発より街並みの保全を選んだ銀座の今後の動向を見守りたいと思います。

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不動産鑑定士 四方田 修

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