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罹災都市借地借家臨時処理法に係る借地権の権利金

先日、BLOGに、罹災都市借地借家臨時処理法(罹災法)について書きましたところ、多くの方に読んでいただいたようで、ありがとうございます。

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アクセス履歴を拝見しますと、「罹災都市借地借家臨時処理法 借地条件」という検索条件の方が多く、特に権利金の算定について関心が高いように見えましたので、少し調べてみました。

借地条件については、当事者間の協議によって決めることになりますが、協議が調わないときは、申立てにより、裁判所が定めることになります。(罹災法15条)

具体的な判例(神戸地判平8.2.5判タ902号252頁)がありますので紹介しますと、

“阪神淡路大震災で滅失した建物の賃借人が土地所有者に対して罹災法2条1項の賃借権の設定を申し出た場合の賃借条件で、権利金の額が問題になったケース。路線価の借地権割合は60%であるが、罹災法では借地期間が10年なので、借地権割合は50%が相当であるとし、これから借家権割合相当額(借地権価格の40%)の2分の1を控除して権利金の額と決定した。”

『借地権割合と底地割合 権利割合の本質と実務への応用(社団法人日本不動産鑑定協会法務鑑定委員会編)』判例タイムズ社

論点としては、

① 期間が10年であるので、借地権割合は路線価割合より小さい。

② 建物が滅失していても、借家権の控除を一部(2分の1)認める。

の2点が挙げられますが、借家人保護の力が働いているように見えます。

例えば、①については、期間10年といえども、借地期間満了時に正当事由が認められないと契約は更新されますので、更新料の特約がなく、建物の耐用年数が長い場合には、ほとんど普通借地権と同じと考えてもいいような気がします。

また、借家権についても、借家契約の家賃が相場より低額で「賃料差額」が生じている等の特別の場合を除けば、権利そのものに経済価値が発生しているケースは少ないと言えるでしょう。

とはいえ、この辺は実際の契約内容との兼ね合いですので、必ずしもこうであるとは言えません。前記の判例を基礎として、そのほか特別の事情があれば、それを考慮して主張していくことになりそうですね。

ちなみに、借家人が借地権の譲渡を申し出た際、これを拒否しようとする場合には、借地権の場合と同様、正当事由が必要となります。正当事由の補強として「立退料」の支払いを申し出ることで解決を図るケースもあると思いますが、この場合の立退料の算定基準も、前述の権利金の算定に係る考え方が参考になるのではないでしょうか。

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不動産鑑定士 四方田 修

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