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中小企業金融円滑化法を1年間延長

あけましておめでとうございます。

平成23年は、東日本大震災や各地での異常気象、ギリシャの財政問題に端を発する経済危機など、暗い話題が多かったですが、今年は明るく、穏やかな気持ちで過ごせる一年になって欲しいものです。

さて、標題ですが、自見庄三郎金融相は先月27日の閣議後会見で、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(中小企業金融円滑化法)」の期限を平成12年3月末から1年延長すると言及しました。

実は、この中小企業金融円滑化法(通称:モラトリアム法)が3月末に期限を迎えるということで、金融機関は不動産担保付債権の処分を活発化させていたため、昨年末までの数カ月、不動産鑑定の世界でも、特にデューデリジェンスの仕事が俄かに活気づいていました。(当方には恩恵はありませんでしたが・・・。)

中小企業金融円滑化法(通称:モラトリアム法)は、中小企業などに対する貸し渋り・貸し剥がし対策として平成21年に成立した法律で、金融機関に次のような努力義務が課されています。

●中小企業者又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合、できるだけ、貸付条件の変更など、債務弁済負担の軽減のための措置をとるよう努める。

●金融機関は、申込みがあった場合、他の金融機関、政府系金融機関(日本政策金融公庫など)、信用保証協会、中小企業再生支援協議会などの関係機関と連携を図りつつ、できるだけ適切な措置をとるよう努める。

http://www.fsa.go.jp/common/diet/173/01/gaiyou.pdf

中小企業金融円滑化法の成立と時を同じくして、金融検査マニュアル別冊が公表されました。
http://www.fsa.go.jp/manual/manualj/manual_yokin/bessatu/y1-01.pdf

この金融検査マニュアルとは、金融庁が金融機関を検査する際のマニュアルで、この基準に基づき、金融機関は債務者を査定(自己査定)し、金融庁に結果を報告します。
金融機関は融資先を、①正常先、②要注意先、③破綻懸念先、④実質破綻先、⑤破綻先5つに格付けされています。この格付けは、新規融資や融資条件の変更等の審査を行う際の判断基準になるとともに、金融機関の決算における貸倒引当金の計上や、自己資本基準(BIS基準)等に影響を与えます。

金融検査マニュアル別冊の公表は、この融資先の分類基準の緩和と理解されており、金融機関も、これまでなら要管理債権(要注意先以下の債権)となるところが、緩和により正常先に分類されることになるため、一部の債権については、特に不良債権処理をしないで済ますことが出来たと考えられます。

しかし、中小企業金融円滑化法が時限立法であったため、期限が到来すると、貸付債権の格付けが下がり、貸倒引当金の計上や自己資本比率の低下等の影響が出るということで、金融機関にとっては不良債権処理を進める動機づけとなっていたと考えられます。

実際、同業者の話を聴くと、ここのところ不動産担保付債権の処理のためのデューデリジェンスの仕事が忙しかったようです。

今回の期限延長で、モラトリアムがもう一年続くことになりますが、足元では急激な円高や海外との競争の激化等、中小企業をめぐる環境は芳しくありません。1年後、どのようになっているか、注意深く見守る必要があると思います。

Akatsukilogo   

不動産鑑定士 四方田 修

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