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広大地の判定(区画割をした戸建分譲地か?路地状開発か?)

不動産鑑定評価は、税金を申告する際にもしばしば利用されます。

中でも多いのが、相続税や贈与税の申告の際の「広大地」の判定に係るご相談です。

「評価基本通達24-4」は、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地で開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの価額は、次の算式により求めた広大地補正率を乗じて計算した金額によって評価する旨定めています。

【算式】
広大地補正率 = 0.6  - 0.05 × (広大地の地積/1,000㎡)

例えば500㎡なら57.5%の広大地補正率となりますので、評価額がかなり低く抑えられます。
なお、本件通達は、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは、広大地に該当しない旨定めていますので、一般的には、戸建住宅分譲用地として開発されることが合理的と考えられる土地が対象になります。

しかし、この「広大地」の概念が画一的でないので税務当局と申告書の間で見解が食い違うことも多いようです。
特に、問題となるのが、路地状開発との兼ね合いです。

路地状開発とは、路地状部分を有する宅地を組み合わせ、戸建住宅分譲用地として開発することをいいます。

最近、国税不服審判所のHPに掲載された裁決事例を紹介いたします。

詳しくは下記アドレスのHPを参照願います。、
http://www.kfs.go.jp/service/JP/83/22/index.html

対象不動産は、間口距離が19.10㎡、奥行距離が27.83㎡のほぼ長方形の形状をした面積が528㎡の宅地で、戸建住宅分譲用地とすることが合理的であるという点については、双方同じ見解ですが、区画割りの方法が異なります。

審査請求人は、下図の通り区画割りを行う開発が合理的と判断し、公共公益的施設用地(この場合は道路)の負担が必要と判断されるため広大地として申告しました。

Photo_3

これに対し原処分庁(国税庁)は、下の図のように路地状開発を行えば、公共公益的施設用地の負担が必要ないため、広大地ではないと主張し、土地の評価額に誤りがあるとして、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしました。

Photo

国税不服審判所は、下図のように道路を開設して開発するのが経済的に最も合理的な開発であると認められるとして、原処分庁の更正処分を取り消すべきとの判断を下しました。

Photo_4

見比べていただきたいのですが、原処分庁の主張する開発想定図と請求人が主張する開発想定図は、それぞれ出来上がった区画割りを見ると、道路(路地状部分)の幅が4mと4.5mの違い以外に、見た目は殆ど変わらないと思われます。

しかし、路地状敷地による開発(旗竿開発)の場合は、路地状部分を通路に限らず駐車場としても利用できるので、公共用地と見なされません。本件の場合、広大地補正率は57.36%ですので、この差はとても大きいですね。

国税庁のHPによると、「路地状開発を行うことが合理的と認められる」かどうかは次の事項などを総合的に勘案して判断するとしています。

①路地状部分を有する画地を設けることによって、評価対象地の存する地域における「標準的な宅地の地積」に分割できること

②その開発が都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の法令に反しないこと

③容積率及び建ぺい率の計算上有利であること

④評価対象地の存する地域において路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること

裁決の内容を見ますと、特に④の内、「評価対象地の存する地域」の範囲や、「路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること」の判定を非常に丁寧にやっているなあと言う印象を受けます。

この辺の判断は、評価対象地の存する地域の標準的使用により異なるため、一律に扱うことは出来ません。結局、それを判断する人の主観により判定結果が異なってくることも考えられます。

過去には、こんな路地状開発が認められた例もありました。

平成18年3月28日東京高裁判決(平成17年(コ)320号)

Koudaichi20005

さすがに、「こんな開発ないだろう!」という感じがしますが、今後事例が積み重なって行けば、判断基準も固まって行くことでしょう。

広大地の判定を不動産鑑定士が行う場合、不動産鑑定評価基準の他に、これら判定基準について、丁寧に当てはめを行っていく必要があります。手を抜くと後でクライアントに迷惑をかける結果になりますので、慎重な調査が求められます。

Akatsukilogo   

不動産鑑定士 四方田 修

http://akatsuki-rea.o.oo7.jp/

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