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【財産評価基準書】相続税路線価と不動産鑑定評価

前回のBLOGの記事【財産評価基準書】相続税路線価と一物四価で、相続税路線価が、毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格水準の80%程度で評価されていることを説明しました。

では、相続が発生したのが12月で、1月1日の路線価の評価時点から地価の下落が認められる場合、相続財産はどのように評価されるのでしょうか?

相続税法第22条は、相続財産の価額は、特別の定めのあるものを除き、当該財産の取得の時における時価による旨を規定しています。

この時価とは、相続による財産取得の時において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいいます。

しかし、相続税の課税対象となる不動産の時価を適正に把握することは必ずしも容易ではありません。また、納税者間で評価が異なることは課税の公平の観点から好ましいことではありません。そこで、課税庁における事務の統一性を図ることなどのため、各種財産の時価の評価に関する原則及びその具体的評価方法を明らかにし、「評価基本通達」を定めて、更に土地の価額については具体的に路線価等を定めて、部内職員に示達するとともに、これらを公開することによって納税者の申告・納税の便に供しています。

この評価基本通達に基づき路線価が合理的に算定されている限り、これが、形式的にすべての納税者に適用されることによって、租税負担の実質的な公平をも実現することができると考えられています。課税庁(国税庁・税務署)では、通達に従い、画一的に処理していきますので、実際には、路線価評価より数段高い価格で取得していたり、または相続で取得後、倍で売れたりしても、相続税の申告においては路線価で評価した申告額を修正する必要はありません(法人税や所得税等はまた異なります)。

しかし、逆に、路線価による評価が、相続開始時におけるその土地の時価を上回っている場合はどうでしょうか?路線価で申告しては、税金を多く払い過ぎてしまいます。

路線価は、1月1日時点の評価額ですので、本件の場合、12月までの地価下落分を時点修正して安く申告してもいいのではないか…との疑問も生じます。

路線価を定めている「通達」は上級行政庁の下級行政庁に対する命令であって法規たる性質を有しておらず、それ自体は納税者を拘束するものではなく、納税者は通達に示されている行政庁の解釈に当然に従わなければならないものでありません。

相続税法22条が、相続財産の価額は当該財産の取得の時における時価によると定めているのですから、通達によらず不動産鑑定士に相続財産取得時の時価を評価してもらって、申告することは可能です。

但し、路線価が公示価格水準の80パーセント程度により評定されているのは、路線価が適用される1年間の地価変動にも耐え得るものであることの必要性など評価上の安全性等を考慮して取り入れられているものですので、路線価が時価を上回ると言うのは、かなりハードルが高いです。

また、更正の請求をする場合は、更正の請求をする者が、まず、自ら記載した申告内容が真実に反するものであることを主張・立証すべきであると解されているので、その立証は、かなり厳密に審査されます。そもそも路線価やその基準となっている公示価格も不動産鑑定士等が評定したものですから、これを打ち破るためには相当の覚悟が必要でしょう。

国税不服審判所のホームページには、これまでに申し立てられた不服審判の裁決集が掲載されており、実際にどのようなケースで認められ、また認められないかを分析する上で、とても役立つと思います。

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    不動産鑑定士 四方田 修

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