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2013年3月

震災後の人の動き

総務庁は、住民基本台帳に基づいて、月々の国内の都道府県、大都市間の転入・転出の状況を明らかにすることにより,各種白書や地域人口の動向研究等の基礎資料を毎月提供しています。

さる1月28日に、平成24年度分の「住民基本台帳人口移動報告」が発表されました。

http://www.stat.go.jp/info/shinsai/pdf/0youyaku.pdf

この中で、都道府県別転入・転出超過数のグラフを見ると、震災の影響がくっきり表れています。

Photo

ちょっと小さくて見にくいかもしれませんが、マイナスに大きく突き出ている部分は、容易に確認することが出来るでしょう、福島県です。原発事故で多くの避難者が県外に移転していったことがうかがえます。

逆に、上に大きく突き出しているのが東京都で、これは、震災に関係なく、東京一極集中が進んでいる結果です。同じ様に神奈川、埼玉も増えています。

ここで、同じ首都圏なのに、下を向いているのが千葉県です。

津波や原発事故の影響はなかったものの、湾岸部や内陸河川沿いで発生した液状化現象や、県北西部での放射能汚染問題(いわゆる「ホットスポット」)等が影響したものと思われます。

千葉県は2年連続の転出超過で、転出超過が2年連続となるのは昭和29年から31年まで3年連続して以来だそうですから、これは一大事です。

しかも、転出超過数は前年に比べて4253人増加しており、問題は深刻です。

平成23年度調査を見ると、震災前後で転入から転出へ大きく変化していることが良くわかります。

http://www.stat.go.jp/info/shinsai/pdf/1youyaku.pdf

H23

三大都市圏を形成する、大阪府や愛知県も震災前は転出超過でしたが、転入超過になっています。大阪府で転入超過が2年連続となるのは統計が開始された昭和29年から47年まで19年連続して以来だそうです。外資系企業が本社機能を、東京から関西に移したことで、芦屋市等の高級住宅街の地価が上昇に転じたこと等、記憶に新しいところです。

このように、人の移動は不動産の価格にも大きな影響を与えます。

密かに沖縄が転入超過に転じているのは、被災者の受け入れの他、本当にお金持ちの方が避難されたんでしょうね、きっと。

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不動産鑑定士 四方田 修

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あの日から2年

2万人ともいわれる死者行方不明者を出した東日本大震災から2年が経ちました。

被災によって命を失った方々のご冥福をお祈りするとともに、未だ元通りの生活に戻れずにいる被災者の皆様のいち早い復興を願います。

昨年、震災関連の案件で被災地を訪れることがありましたが、瓦礫の撤去が進んだとはいえ、深い傷跡を残しているのは一目瞭然で、まだまだ復興は志半ばなのだと感じました。

鑑定評価書を作成するに当たり、当然のことながら、震災の被害について調査分析するのですが、例えば冒頭に書いた死者行方不明者数も、実は発表する機関によって数字はバラバラで、数字を拾うのに結構苦労しました。2万人というのは、震災後に体調を崩して亡くなった方も含めた数字です。震災の総括もこれからですね。

今回の震災は、マグニチュード9という地震そのもの規模もさることながら、想定を超える大きな津波、原子力発電所の事故等が重なり、多くの被害者を出したことが特徴的です。家屋の倒壊等の地震による直接の被害は、意外と少なく、日本の耐震基準を満たした建築物の優秀さを示したとも言えるのではないでしょうか?

最近の震災報道は、東北岩手、宮城、福島の津波、原発の惨状に関わるものが殆どですが、首都圏も大きな被害を受けたことを忘れてはいけません。帰宅難民や計画停電、液状化現象、買占めによる品不足…くらいまでは覚えていても、工場火災や天井崩落による死者が出たこと等、言われなければ思い出せない程、記憶が風化してきています。

昨日、NHKのBSプレミアムでやっていた「The Next MEGAQUAKE」という番組で、次に来ると予想される大震災について採り上げていました。

GPS(Global Positioning System, 全地球測位システム)による調査では、東日本大震災により、東北地方のプレートが東へ5mも動いた所があるのに対し、東京では50cmしか動いておらず、このため、地震の原因となる「ひずみ」がたまっているというのです。最近起きている地震の震源はどんどん南下してきていて、太平洋プレート、フィリピン海プレートの上に陸側のプレートがのっかっている、複雑なプレート構造の首都直下では、地震発生リスクが高まっています。

また、番組では、マグニチュード9以上の地震の後には、数年以内に火山の大爆発が起きているというデータを紹介。富士山が大噴火した場合の被害について予測していました。

だからといって、日本から逃げ出すわけにもいきませんので、これまで通り暮らしていくしかないわけですが、過去の震災の教訓を生かして、被害を最小限に留められるように、今日は防災に思いを巡らしてみてはいかがでしょうか?

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新宿・池袋・渋谷 三都物語

3月16日、東京メトロ副都心線と東急東横線が直通運転を開始します。

東横線沿線に住む方々にとっては、新宿・池袋に乗り換えなしで行けるようになり、利便性が高まるとする声がある一方、渋谷駅が地下化することで、乗り換えが不便になる、渋谷始発が減って座れなくなる…等々、いろいろ議論されているようです。日常の足が変化することで、沿線住民の生活も変わっていくのかもしれません。

生活が変わると、周辺の商業施設も大きな影響を受けます。

思い起こせば5年前の2008年6月14日に副都心線が開通した時も、東武東上線、西武池袋線沿線の住民が池袋を素通りするようになるのではないか?と、言われていましたが、東武、西武の両百貨店が全面改装、駅前にはヤマダ電機の旗艦店が進出して、かえって盛況だったりして、こればかりはどうなるかわかりません。

但し、今回の渋谷のケースは、池袋の時のように新線開業で、旧路線(東武東上線、西武池袋線)がそのまま池袋発着だったのと異なり、すべての列車が地下に乗り入れることになることです。即ち、渋谷でJRや銀座線等に乗り換えるお客さん以外は、地下から地上に上がって来なくなる可能性がありますね。

危機感を強めたのか、渋谷を開発してきた東急グループが、1月に都市再開発計画を発表しました。

http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/news/130123.html

Sibuya

鍵は回遊性です。その地区に長い時間居てくれることが重要ですので、エリア内をスムーズに移動できるような空間を設計することに腐心していることがうかがえます。特に、渋谷の場合、元の地形が「谷」ですので、高低差を考慮しないといけない分、新宿・池袋に比べて大変ですが、逆にその高低差のある移動を楽しませるくらいの発想が必要なのかもしれません。

昨年9月には、JR東日本が新宿駅の東西自由通路や駅ビルの建設計画を発表しており、これから、新宿・池袋・渋谷の三つ巴の争いが始まりそうな予感です。

http://www.jreast.co.jp/press/2012/20120902.pdf

【関連記事】

H25年度都道府県地価調査(渋谷と新宿)

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会社法上の現物出資の目的となる不動産の鑑定評価に関する実務指針

財団法人日本不動産鑑定士協会連合会は、 「会社法上の現物出資の目的となる不動産の鑑定評価に関する実務指針」を公表しました。

平成4年7月20日に策定した「商法上の現物出資・財産引受・事後設立の目的となる不動産に係る弁護士の証明並びに不動産鑑定評価上の留意点について」の追加補足版ですが、不動産鑑定評価を行うに当たっての実務的な取扱いを個別具体的に示しています。

主な内容としては、

・基本的事項とし て安易な条件設定をしないこと
・価格時点及び実地調査日は、現物出資の時期に近いこと
・目的不動産の適格性(これについては、かなり具体的に例を挙げて説明しています。)
・現地調査(主に内覧の必要性について)
・鑑定評価手法の適用(事業用不動産の場合の収益予測等)
・不動産鑑定業者の受託時の注意事項

等が挙げられますが、特に、「2.(3)複雑な権利関係と目的不動産の適格性」で、適格性について具体的に説明しているのが印象的でした。不動産鑑定士は不動産の評価だけが仕事で、価格に影響を与えない権利関係(主に差押えや乙区記載の抵当権等の権利)についてはあまり関心を示さない傾向があるので、こうやって明示することで、評価の際に注意するようになると思います。

現物出資の個別具体的な説明以外は、取り立てて目新しい項目はなく、この指針の適用される鑑定評価以外のケースでも遵守しなければならない内容がほとんどだと思います。

しかし、こういった指針が発表されるのも、不動産鑑定評価の「金融化」の表れですね。

そもそも、不動産鑑定評価制度は国土庁の管轄で、主に地価公示やバブル期の地価監視制度(国土法等)を中心に運用されてきました。しかし、金融自由化の進展により、不動産が金融取引に組み込まれ、一方で時価会計により資産評価の必要性が高まったことにより、評価の目的が金融庁の管轄に属するような内容が増えて来ました。<br><br>

こういういい方はやや不適切かもしれませんが、大雑把に言って、平成バブルまでの不動産鑑定評価は、「高く評価」することが正義でしたが、金融化した現在では、「安く(保守的に)評価」することが、利害関係者保護の観点からも求められているいるのだと思います。

私は、元々銀行出身で、担保評価や債権回収にも関わってきましたので、むしろ保守的な評価に対する親和性が高い気がしますが、業界全体を見渡すと、まだまだ法外に高く評価することに対する怖さを実感していない方が多いように思えます。

今回、このような形で実務指針が出されましたが、おそらくこれを発しただけでは効果は少ないでしょうね。銀行時代の経験からすると、年に一度くらい研修を行って、具体的に投資家に損害を与えた事例を生々しく説明する位のことをしないと、中々浸透していかないような気がします。

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