不動産鑑定

事情補正

取引事例比較法を適用するとき、事情補正を行う場合があります。

取引事例を収集して、時点修正、地域要因と個別的要因の補正を行った状態で、各事例の比準結果を並べてみると、価格がばらついていることがよくあります。

不動産の取引は自由で、人それぞれ事情があったり、すべての人が不動産について詳しいわけではありませんので、必ずしも同じような価格に収斂するとは限りません。

そこで、取引事例が特殊な事情を含み、これが当該事例に係る取引価格に影響を及ぼしていると認められるときは、適切な補正を行うこととしています。

不動産鑑定評価基準の留意事項には、 Ⅴ 「総論第7章 鑑定評価の方式」について 1(3)②事情補正について で、事情補正を行う際の特殊な事例を例示していますが、「売急ぎ」「買進み」「親族間・関係会社間取引」「限定価格」の4種類のいずれかで表示されていると思います。

取引事例の情報提供者から「特殊な事情」について、具体的に提示されている場合は、その情報に基づいて判断しますが、多くの場合は不動産鑑定士が自ら判断します。

判断の根拠は、現地実査と登記簿の調査で得られるケースがほとんどです。

現地実査は、基本的にすべての事例について行っていますが、特に取引事例の価格にバラツキが見られる場合には、登記簿の調査も行って、特殊な事情がないかをチェックします。
現地調査では、営業上の場所的限定等特殊な使用方法がされていないか、隣地の買増しをしていないか等をチェックします。
取引時点に建っていた建物が取り壊されてなくなっている場合は、建物価格はゼロで、取壊し費用相当額を控除して取引された可能性が高いです。事情補正ではありませんが、これも適宜「建付減価」等の補正をします。
また、不動産業者や地元の情報などにより、思わぬ特殊事情が判明する場合もあります。

登記簿の調査では、次のようなものをチェックします。

① 競売や金融事情
 競売は「甲区」欄に、また、金融事情は、「乙区」欄に担保がべったりついていないか?差押さえをされていないかをチェックします。

② 相続
 取引事例の対象となっている当該取引以前に、所有権移転登記の原因が「相続」である取引がある場合、相続税支払いのために売り急いだ可能性があります。買い主が不動産業者(特にデベロッパー)の場合は、相場よりかなり安く売買されいていると推察されます。(銀行員時代によくお目にかかった光景です。)

③ 親族間・関係会社間の売買
 親族間取引については、同じ名字の人同士で売買していたりして何となくわかります。関係会社間取引については、法人同士の取引について、それぞれの会社の登記簿を確認すると、代表取締役が同じ人だったりするので判明します。主に節税目的であることが多いので、相続税路線価近辺(公示価格の8割程度:この価格での取引については税務署もあまりうるさく言わない)で取引しているものが多く見受けられます。

④ 限定価格
 隣地の購入など、他の土地と組み合わせることによって価値の増分が見込めるため、高い価格で取引される傾向があります。その最たる例が「地上げ」です。
 登記簿については対象地だけではなく、その隣接地についても調査します。ペーパーカンパニー等、別の名義(でも、だいたい名前を見るとなんとなくわかります。(笑))で買い集めているケースもありますので、実査や業者ヒアリング等が重要になります。

他にも「特殊な事情」は存在すると思いますが、客観的な調査で判明するのは、この程度だと思います。

ここで注意したいのは、これらの情報はあくまでも内部資料であるという点です。

有価証券報告書で適時開示しているREITの事例等、一部のものを除けば、ほとんどの事例は個人情報保護法などに基づく守秘義務を課されている情報です。そもそも、取引事例については、取引当事者の属性や詳細な位置についても表示しないものですので、「特殊な事情」についても具体的に表示するのは控えるべきで、「売急ぎ」「買進み」等と大まかに表示するのが一般的です。

だからといって、これらの調査をいい加減にやるわけにはいきません。たとえ記載しないにしても、ちゃんと調査していないと何となくわかります。

例えば、高度商業地で誰もが欲しがるような土地で「売急ぎ」をつけていたり、均質的な住宅が建ち並ぶ戸建分譲地で「買進み」をつけるような補正は、通常考えにくいです。

各取引事例による比準結果を揃えるために事情補正を多用している鑑定評価書を目にすることもありますが、そのような鑑定評価書は注意が必要です。


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平成28年 秋の講演会のご案内

公益社団法人東京都不動産鑑定士協会主催 秋の講演会開催

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「日本経済は本当に再生するか」 (約90分)


講師:慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科教授 岸 博幸 氏


「平成28年 東京都地価調査のあらましについて」 (約30分)

公益社団法人 東京都不動産鑑定士協会 地価調査委員長 後藤 計


*開演後、講演前に以下の報告・イベントを実施予定です。
・熊本地震被災者支援の活動報告と住家被害認定調査の取り組み
・当協会公式キャラクター「不動産鑑定士 PR 大使」任命式
*その他、ゆるキャラ撮影会も開催!


平成28年10月14日(金)
開場13時00分 開演13時30分 終了17時00分(予定)

新宿明治安田生命ホール(新宿区西新宿 1-9-1 明治安田生命新宿ビル B1F)

定員:先着340名

入場無料

申込方法
申込書によりFAX または電話により
お申し込みください。受付後、入場整理券を送付します。

電話番号:03-5472-1120
FAX番号:03-5472-1121

主催:公益社団法人 東京都不動産鑑定士協会
共催:東京都




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建ぺい率の角地緩和

建ぺい率とは、建築面積の敷地面積に対する割合のことで、敷地が角地の場合は、10%緩和される規定があり、都市計画で定められた建ぺい率(以下「指定建ぺい率」と言います)が、60%の地域にある角地の土地であれば、70%まで緩和されます。

しかし、建築基準法の条文をよく読むと、「特定行政庁が指定するもの」と定められており、角地なら必ず緩和されるというわけではありません。

建築基準法 (建ぺい率)

第五十三条  建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建ぺい率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。
(中略)
3  前二項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあつては第一項各号に定める数値に十分の一を加えたものをもつて当該各号に定める数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあつては同項各号に定める数値に十分の二を加えたものをもつて当該各号に定める数値とする。

一  第一項第二号から第四号までの規定により建ぺい率の限度が十分の八とされている地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物
二  街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物


特定行政庁は、一件一件指定するかどうか判断しているわけにはいきませんので、通常は条例などで規準を定めています。
ちなみに東京都では、次の通りです。

東京都建築基準法施行細則

(建ぺい率の緩和)
第二十一条 法第五十三条第三項第二号の規定により知事が指定する敷地は、その周辺の三分の一以上が道路又は公園、広場、川その他これらに類するもの(以下この条において「公園等」という。)に接し、かつ、次に掲げる敷地のいずれかに該当するものとする。

一 二つの道路(法第四十二条第二項の規定による道路で、同項の規定により道路境界線とみなされる線と道との間の当該敷地の部分を道路として築造しないものを除く。)が隅角百二十度未満で交わる角敷地
二 幅員がそれぞれ八メートル以上の道路の間にある敷地で、道路境界線相互の間隔が三十五メートルを超えないもの
三 公園等に接する敷地又はその前面道路の反対側に公園等がある敷地で、前二号に掲げる敷地に準ずるもの

特に気をつけたいのが、角地であっても道路に接している部分の長さの割合が「三分の一以上」、交わる角度が「120度未満」であることが要件とされている点です。整形の土地の綺麗な角地であれば通常問題はありませんが、不整形地の場合は注意が必要ですね。
この規定をいろいろ調べると自治体によってまちまちで、道路に接している部分の割合や角度が違っていたり、角から一定の長さが道路に接していることを要求したりしているので、その都度確認する必要があります。

建ぺい率は、容積率に比べると価格に与える影響が少ないので軽視されがちですが、鑑定評価書に間違ったことは書けないので、気をつけないといけませんね。

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東京今昔物語 ―企業と東京―

公益社団法人東京都不動産鑑定士協会は創立20周年を記念して、実業之日本社から「東京今昔物語 ―企業と東京―」を出版しました。

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これは、協会の会報誌「かんていTOKYOに連載されていた記事を編集したもので、「東京における不動産と人との関わりについて、都内の優良企業19社と、その企業が関わる地域との変遷を紐解きながら明らかにしていく本書は、読者の知的好奇心を満たしながら、東京という、世界で唯一無二の魅力的な都市の姿を、改めて甦らせてくれるに違いない」と紹介されています。
紹介されている企業は、19社。いずれも一流老舗企業ばかりで、会社名と街の名前がセットで思い浮かばれる組み合わせばかりです。

【目次】
第1章 銀座と資生堂の歩み
第2章 丸の内の街と三菱地所の歩み
第3章 日比谷の街と帝国ホテルの歩み
第4章 恵比寿の街とサッポロビールの歩み
第5章 田園調布と東京急行電鉄の歩み
第6章 新宿の街と中村屋の歩み
第7章 超高層ビル建築と三井不動産の歩み
第8章 明治神宮と明治記念館の歩み
第9章 日比谷公園と松本楼
第10章 国立学園都市開発と西武グループの歩み
第11章 虎ノ門・神谷町界隈とホテルオークラ東京の歩み
第12章 赤坂界隈と虎屋の歩み
第13章 浅草橋界隈と吉徳
第14章 青山に育まれて……紀ノ国屋
第15章 葛飾とタカラトミー
第16章 「都市をつくり、都市を育む」森ビルの歩み
第17章 石川島、豊洲とIHI
第18章 京橋と味の素社の歩み
第19章 浅草界隈とマルベル堂の歩み


この本が売れて協会が儲かると言うことはないのですが、話題になって店頭に並ぶようになれば協会の広報活動になるので、せっせと話題作りに汗をかいてます。
実際、なかなか読み応えがある本なので、是非お買い求めいただけると嬉しいです。

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「指数」は最後の手段(スライド法再考)

以前、国際資産評価士協会(JaSIA: http://www.jasia-asa.org/asa_disignation/)のASA(American Society of Appraisers)国際資産評価士養成講座を受講した際、講師の先生(米国ASAの重鎮)が繰り返し仰っていた言葉が、
“Index is a last resort.” 「指数は最後の手段」
です。

不動産鑑定評価の世界では、「指数」を使う機会が多いです。
特に、取引事例比較法の時点修正を行う際には、近隣の公示地価格等を時系列的に指数化して、増減価率を求めていると思います。
中でも、指数を使うことを前提とした評価手法が、継続賃料を求める手法のひとつである「スライド法」です。
不動産鑑定評価基準には、次のように定義されています。
スライド法は、直近合意時点における純賃料に変動率を乗じて得た額に価格時点における必要諸経費等を加算して試算賃料を求める手法である。
注:平成26年5月1日付改正基準より、「直近合意時点」という文言が使われるようになりました。
変動率は、直近合意時点から価格時点までの間における経済情勢などの変化に即応する変動分を表すものであり、継続賃料固有の価格形成要因に留意しつつ、土地及び建物価格の変動、物価変動、所得水準の変動などを示す各種指数や整備された不動産インデックス等を総合的に勘案して求めるものとする、とされています。
但し、現在までのところ、賃料に関する指数はあまり整備されておらず、正直、あまり賃料と相関関係のなさそうな数値を使ってしぶしぶやっているのが実態ではないでしょうか?
継続賃料の評価については、直近合意時点から価格時点までの期間の事情変更を基に、契約内容、契約締結の経緯などの諸般の事情を総合的に勘案すべきとする最高裁判例が相次いで出され、これに対応した改訂が求められていました。
しかし、実際に改正されたのは、直近合意時点の明確化と継続賃料固有の価格形成要因の例示程度にとどまりました。
さて、冒頭にご紹介した言葉に戻りますが、“last resort”は、「最後の手段」「苦し紛れに採用された手段」とか「切羽詰まって」と訳され、「出来れば使うべきではない」という意味合いが含まれています。
とは言うものの、実際には、ASA会員の行う評価でINDEXは非常によく使われているそうです。
米国では、不動産の価格を求める際に有用な指数が多数公表されており、これらを使うことで大量の評価対象(不動産だけでなく動産や無形固定資産を含む)を短期間に処理することが出来、且つ鑑定人の恣意性が入り込む余地が少なく、客観性が高いという利点があります。
にもかかわらず、なぜ「最後の手段」なのか?
それは、簡便さ故に、評価対象に対する分析が疎かになって、実態を反映しない評価をしてしまう危険性を秘めているからです。
例えば、スライド法の変動率を求める際によく使用される指数に、家賃指数がありますが、一言で家賃といっても、地域や用途、建物・専有部分の品等などによって水準が異なります。これらの指数は、多くが全国の指数であり、オフィス等については、東京の各エリア毎のものが公表されていますが、評価対象不動産の個別性まで考慮したものではありません。
例えば、「最近大手企業が移転してきた地域で、関係会社の移転需要から周辺の需給がタイトになっている」等の事情がある地域では、こうした事情を反映していない一般的な指数をそのまま適用しても、実際の市場動向に見合った評価は出来ないでしょう。
不動産鑑定士が、決して安くはない報酬を戴いて仕事をする以上、指数を使ってオートマチックに数字をはじき出すというのも、ちょっと頼りないです。
一方で、指数を使うことにより、簡易且つ迅速に評価するニーズがあることも確かです。
評価額が市場実勢と違わない様に注意しながら、上手く取捨選択していく必要があるでしょう。

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賃貸事業分析法

平成26年5月1日付の改正『不動産鑑定評価基準』は、不動産証券化市場における国際会計基準への適合等の要請に配慮した部分については、積極的に改訂されているのですが、賃料に関する部分については、事前の調査段階で問題視されていた部分も含めて、あまり具体的な改訂が盛り込まれませんでした。

そんな中、宅地の正常賃料を求める評価手法に賃貸事業分析法が加えられたのは、大きな改正と言えます。

基準の各論第2章第1節 I. 「2.宅地の正常賃料を求める場合」に追記される形で、

また、建物及びその敷地に係る賃貸事業に基づく純収益を適切に求めることができるときには、賃貸事業分析法(建物及びその敷地に係る賃貸事業に基づく純収益をもとに土地に帰属する部分を査定して宅地の試算賃料を求める方法)で得た宅地の試算賃料も比較考量して決定するものとする。

と定義されました。

「比較考量」ということで、あくまでも他の手法による賃料(積算賃料、比準賃料、配分法に準ずる方法に基づく賃料)の補助的な位置づけになっていますが、借地上に賃貸建物が建っている場合の賃料を求める手法としては、土地の賃借人の支払える上限額として合理的であるといえます。

最近REIT(不動産投資信託)が、都心のビルの底地のみを取得するケースが多く見られますが、この底地の地代を設定する際、周辺に参考となる賃貸事例が少ない(一般戸建住宅や小規模小売り店舗の地代の事例はあまり参考にならないことが多い)ことから、この手法の果たす役割は大きいと言えるでしょう。

また、新たに大規模商業施設やホテル等を建設する際の新規地代を求める場合にも、大いに参考とすべきだと思います。建物が収益不動産の場合には、収益分析法という手法が別にあるのですが、最近では賃貸を想定して負担可能賃料から純収益を想定する考え方が主流になりつつあります。(実際、収益還元法の総収益の項にも、このような考え方を基準の文言の追加がなされています。)

私も、まだ、鑑定士になる前の見習い時代に、この手法を適用したホテルの地代を求める鑑定評価書の作成に携わったことがあります。

ホテルを建設することを計画して、土地の賃貸借契約を締結したのですが、土地の賃借人が、建物を建設する前に民事再生を申請したケースで、賃借人の代理人弁護士が、当初合意した地代を減額するよう請求してきたのです。

賃貸人(地主)からの依頼で、継続賃料の鑑定評価書を作成することになったのですが、賃貸事業分析法を採用することで、不動産に帰属する純収益(≒賃料負担能力)を具体的に試算することで、賃料減額の必要のないことを示すことにしました。

当時は、「賃貸事業分析法」等という正式名称はありませんでしたので、「土地残余法に基づく方法」などと適当な名前を付けていました。

ホテルの地代を求める場合、ユニフォーム・システム(Uniform System of Accounts for The Lodging Industry:部門別管理会計)により、各部門の収益が明確化されており、不動産(建物及びその敷地)に帰属する純収益を客観的に求める手法も確立されていましたので、とても説得力のある評価が出来たと思います。

この手法が基準に追加されたことで、今後は大手を振って、適用できる(しなくてはならない?)ことになりました。まだまだ具体的な適用方法については、書籍などに公表されているものがありませんので、土地に帰属する純収益の算定方法など、いろいろと研究していく必要がありそうです。


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特定価格と正常価格(平成26年5月1日不動産鑑定評価基準改正)

特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう・・・と定義されていました。

例えば、資産流動化計画の運用方法を所与する価格を求める場合(いわゆる証券化対象不動産の価格)には、必ずしも最有効使用を前提としないために、仮に実際の使用方法が最有効使用の状態にあっても「特定価格」とされていました。

しかし、求めた価格が結果として正常価格と相違ない場合においても特定価格と表示されることについて、国外の投資家等からわかりにくいとして懸念の声が上がっていました。

そこで、平成26年5月1日付改正『不動産鑑定評価基準』においては、次の様に文言が改められました。

特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することになる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいう

これにより、結果的に「正常価格=特定価格」となる場合には、鑑定評価により求める価格は「正常価格(=IVSにおけるMarket Value)」となります。

証券化対象不動産の場合、最有効使用を前提とする価格を求めることが多いと思いますので、殆どのケースで「正常価格」を求めることになると思います。

証券化対象不動産以外にも、不動産鑑定評価基準において例示されている特定価格を求めるものとしては、

(2)民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、早期売却を前提とした価格を求める場合(早期売却価格)
※ 会社更生法の財産評定や更生担保権における担保目的の評価で求める価格は正常価格である点に注意

(3)会社更生法又は民事再生法に基づく鑑定評価目的の下で、事業の継続を前提とした価格を求める場合(事業継続価値)

があります。

基準の文言を素直に読むと、こちらの場合も、「正常価格=特定価格」となる場合には、鑑定評価により求める価格は「正常価格」となるようです。

民事再生法における財産評定で、事業継続に必要な不動産を評価する場合、早期売却価格及び事業継続価格、さらに正常価格(特定価格を求めた場合、併記する必要がある)の3つの価格を鑑定評価書の中で求めることになりますが、対象不動産が最有効使用の状態にある場合、これら3つがすべて同じ価格になるということが考えられます。
このような場合、求める価格はすべて「正常価格」ということになり、かえってわかりにくいですね。

対象不動産が最有効使用の状態に有り、正常価格と同一の市場概念の下において価格が形成されている旨を記載した上で、価格の表示方法について、わかりやすく工夫する必要があるでしょう。

【例】
鑑定評価額の決定
対象不動産は、最有効使用の状態にあり、価格1(早期売却価格)及び価格2(事業継続価値)ともに、正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と合致したことから、鑑定評価額を次の通り決定した。

鑑定評価額
価格1:●●,●●●,●●●円(早期売却価格) 
価格2:●●,●●●,●●●円(事業継続価値)
(上記二価格はいずれも正常価格)

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建物設備部分の評価(鑑定評価モニタリングにかかる立入検査の検査結果より)

国土交通省は、鑑定評価モニタリングの一環として、平成20年度から不動産鑑定業者への立入検査を実施し、その検査結果の中で、改善を要すると認められる内容を、公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会に通知し、周知徹底を図っています。

不動産鑑定評価などの適正な実施について

その中で、少し気になる項目がありました。

○鑑定評価方式の適用について

〔原価法関係〕
・建物に係る経済的残存耐用年数の査定において、現状で十分効用を発揮している状態が認められるにもかかわらず、設備部分の同耐用年数を機械的にゼロないし短期間としているものが見受けられた。

原価法とは、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法です。

ここで、問題になっているのは、減価修正を耐用年数に基づく方法により行う場合の経済的残存年数の捉え方についてです。

不動産鑑定評価基準には、「対象不動産が二以上の分別可能な組成部分により構成されていて、それぞれの耐用年数又は経済的残存耐用年数が異なる場合に、これらをいかに判断して用いるか、また、耐用年数満了時における残材価額をいかにみるかについても、対象不動産の実情に即して決定すべきである。」と定められていて、多くの場合、建物を「躯体(主体)」と「設備」に分けて、それぞれ減価修正を行うのが一般的となっています。(最近は、さらに「仕上げ部分」を含めた3分類とするケースも増えています。)

※追記
平成26年5月1日付改正『不動産鑑定評価基準』では、「躯体・設備・内装等」という表現を使っています。

具体的に例を挙げてみましょう。

(価格時点:平成26年5月1日)
平成6年5月1日新築

再調達原価 200,000,000円

躯体部分 割合:70% 経済的耐用年数:40年
設備部分 割合:30% 経済的耐用年数:15年 

減価修正は定額法による

この場合、躯体部分は、

再調達原価:(再調達原価)200,000,000円 ☓ (躯体割合)70%= 140,000,000円
減価修正額:140,000,000円☓ (経過年数)20年/(耐用年数)40年 = 70,000,000円
積算価格:140,000,000円 - 70,000,000円 = 70,000,000円

となります。

一方、設備部分については、耐用年数が15年に対し、既に20年が経過していますので、上記と同じ計算方法の場合、ゼロ評価となります。

再調達原価:(再調達原価)200,000,000円 ☓ (設備割合)30% = 60,000,000円
減価修正額:60,000,000円☓ (経過年数)15年※/(耐用年数)15年 = 60,000,000円
積算価格:60,000,000円 - 60,000,000円 = 0円

※経過年数20年>耐用年数15年のため、15年を採用

実際、このような評価をしている不動産鑑定士は少なくないと思います。

私は、不動産鑑定士になる前に銀行で働いていましたが、銀行の担保評価では、債権の安全性を図るために保守的に評価を行う傾向に有り、建物を(躯体部分も含めて)ゼロ評価とすることにまったく抵抗はありませんでした。

しかし、建物が実際に使用されている場合、設備部分が効用を発揮しているのですから、価値がゼロというのはおかしい、というのが国土交通省の言い分です。

ここで、設備部分とは、電気設備や給排水衛生設備等で、大きなビルでは昇降機器(エレベーター)や空調設備等が大きな割合を示すと思います。

これらの設備は、新築後、定期的に修繕や交換がされて更新されていくのが一般的です。大規模修繕が行われれば、その時点から、さらに経済的耐用年数が延びると考えるべきです。

そういう意味では、建物構成部分を出来るだけ細かく分類し、それぞれの部分ごとに減価修正を行い、設備が更新された場合はそれをすべて反映させていけばいいのですが、それは作業が大変(鑑定料も高くなってしまう)ですし、何より、不動産鑑定士がそれを望んでも、必要な資料が揃わないことが多いです。
また、大都市の商業地等では、不動産価格に占める建物の割合は小さく(1割以下ということも少なくない)、価格が下がる分にはあまり文句を言う人もいなかったので、あえて、建物の設備部分を精緻に評価する必要もなかったのです。

ここに来て、設備ゼロ評価に「改善」を求める声が出てきたのは、国土交通省による不動産流通市場活性化の動きが大きく関係しているものと思われます。

近年の空き家の増加と来たるべき人口減少社会に備え、政府は中古住宅の流通市場の活性化に力を入れています。

しかし、日本では、戸建住宅は20年(人によっては10年?)経ったら価値ゼロと言う風潮が有り、国土交通省は、建物の経済価値が認められないことが、流通市場拡大の大きな障害になっていると考えられているようです。

そこで、評価のあり方そのものにメスを入れようということになったのではないでしょうか。

国土交通省は、最近このような指針を発表しています。

中古住宅に係る建物評価の改善に係る指針

これは、中古住宅についての評価の指針ですが、この中で、減価修正の精緻化について、具体的に言及しています。

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今後、建物の評価については、精緻に分析を行うことにより、経過年数だけに頼らず、実際の建物の管理やメンテナンスの状態を考慮した評価が、より強く求められていくと思われます。

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位置指定道路と最有効使用

位置指定道路とは、土地を建物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法そのほかの公法によらないで築造する、政令で定める基準に適合する道で、特定行政庁が利害関係人の申請に基づき位置の指定をした、幅員4メートル以上の私道のことです(建築基準法第42条第1項5号)。

建築基準法では、建築物の敷地は『道路(下表参照)』に2メートル以上接しなければならない、と規定されています。

Photo

この規定を満たすために、民間で道路(私道)を敷設して、建物を建てられるようにしようというのが位置指定道路です。都市計画法の開発許可を受けて開発された道路の場合、上表1項2号の「都市計画法などによる道路(開発道路)」になります。

この場合、道路としての基準を満たし、特定行政庁の指定を受ける必要があります。ですので、私道のみに接している土地を評価する場合、道路位置指定を受けているかどうか、必ず確認する必要があります。

位置指定道路は、下図のような宅地開発によるものが一般的です。

灰色:公道 桃色:位置指定道路
Photo_2

この場合、公道から奥にある区画は、位置指定道路によって、建築基準法の道路用件をクリアすることになります。

位置指定道路は、私道ですので、所有権はこの道路沿いの所有者の共有であることが多いですが、道路部分は、準公道として広く通行権が認められて私権が制限されますし、容積率の算定上、敷地面積に含めることもできませんので、鑑定評価上、0(ゼロ)評価とされるのが一般的です。

道路位置指定は廃止することもできます。例えば、上図の土地をすべて買い取り、一体で大きな建物を建てる場合など、道路を廃止することにより、敷地面積に算入することが出来ます。開発のための土地買収の場合等、評価上考慮する必要があります。

この辺りは、いろいろと論点があり、評価上神経を使うところです。

位置指定道路は、接道要件を満たすためだけでなく、土地の価値を高めるために積極的に活用されているケースも、見られます。

下図の例は、幹線道路沿いの店舗の事例です。

灰色:公道 桃色:位置指定道路
間口50m☓奥行30m

Photo_3

1階を駐車場、2階を店舗としているのですが、出来るだけ建築面積を広く取るために、角地による建ぺい率の緩和(建築基準法第53条第3項第2号)を使うために、敷地の隅に私道(この場合は開発行為のため、法42条第1項2号道路)を敷設しました。

敷地面積:1,500㎡
指定建ぺい率:60%
建築面積上限:900㎡(=1,500㎡☓60%)

道路敷設後
位置指定道路:122㎡ 敷地面積:1,378㎡(=1,500㎡-122㎡)
基準建ぺい率:70%(角地による緩和)
建築面積上限:964.6㎡(=1,378㎡☓70%)

この道路を敷設したことにより、敷地面積は減少しますが、建ぺい率が10%加算されますので、建築面積が増えた例です。郊外型店舗の場合、建物を高くするよりも、低層で各階面積が広い方が有効ですので、このような手法が活用されます。

次の例は、かなりテクニカルです。

みなさん、何のために位置指定道路を敷設しているかわかりますか?

第1種住居地域(60%/400%)
灰色:区道(幅員4m) 桃色:位置指定道路 紫色:都道(幅員15m)
間口(上)25m☓奥行(左)20m
Photo_4

この土地は、幅員15mの都道(特定道路)に近いのですが、実際に接面している道路は幅員が4mしかありません。
建築基準法では、前面道路の幅員によって、容積率の最高限度が制限されます。

この場合、接面道路が4mで、住居系の用途地域(第一種住居地域)ですので、基準容積率は160%(=4m☓4/10)に制限され、指定容積率400%を消化することが出来ません。

そこで、位置指定道路の登場です。

4mの区道に、2m分私道を追加して、幅員6mとすることにより、特定道路を接続することによる緩和(建築基準法第52条第9項)を適用し、基準容積率を400%とすることが出来ます。

この特例は、前面道路の幅員が6m以上12m未満で、敷地から70m以内の距離で幅員15m以上の道路(特定道路といいます。)に接続する場合は、前面道路の幅員に下図(x)の数値を加えたものを基準とした道路幅員による容積率の上限になります。

Photo_5

敷地面積:500㎡
基準容積率:160%
延床面積上限:800㎡(=500㎡☓160%)

道路敷設後
位置指定道路:40㎡ 敷地面積:460㎡(=500㎡-40㎡)
基準容積率:※400%(特定道路による緩和)

※ x=(12-前面道路幅員6m)☓(70-特定道路までの延長距離6m)/70≒5.48
  (前面道路幅員6m+特定道路による緩和5.48m)☓4/10≒459.2% > 400%

延床面積上限:1,840㎡(=460㎡☓400%)

位置指定道路の敷設により、倍以上の延床面積を確保しています。

このように位置指定道路の敷設により、敷地を有効活用することが出来ます。

不動産鑑定評価の世界では、土地の価格は、最有効使用を前提として把握される価格を標準として形成されます。

このような使用方法は、客観的にみて、良識と通常の使用能力を持つ人による合理的かつ合法的な最高最善の使用方法を超えていると認められる場合がありますので、評価に当たっては、更地の価格より高い評価をする場合も考えられます。

土地の有効活用に掛ける事業主の執念が感じられますね。

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不動産の簡易鑑定と価格等調査ガイドライン

よく「不動産の簡易鑑定 ●万円より」などという売り文句がありますが、不動産鑑定評価の法律や鑑定評価基準、各種規定等に「簡易鑑定」という言葉は定義されていません。

鑑定業者によってその定義付けはいろいろあるのかもしれませんが、概ね「書式を定型化して、説明を簡略化したもの」を低価格で提供するという趣旨で使われていることが多いようです。

依頼者のニーズの多様化や企業会計における不動産の時価評価の一部義務化、CRE(企業不動産)戦略の進展等を背景に、不動産鑑定評価基準によらない価格等調査のニーズが増大する中、この「簡易鑑定」が重宝されるようになりました。

しかし、低廉かつ短期間で結果を得たいがために、依頼目的や結果の利用範囲等に見合わない簡便なものが依頼されたり、簡便な価格等の調査が不動産鑑定士・不動産鑑定業者が認識していた範囲を超えて利用され、トラブルが発生する可能性が高いことから、不動産鑑定士が行う価格等調査全般について、その適正な実施を図るためのルールが策定され、平成22年1月1日から施行されました。

不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン(以後、略して「価格等調査ガイドライン」と呼びます。)

不動産鑑定士が不動産に関する価格等調査を行う場合の業務の目的と範囲等の確定及び成果報告書の記載事項に関するガイドライン運用上の留意事項

この「価格等調査ガイドライン」は、不動産鑑定士が不動産の価格等を文書等に表示する調査すべてに適用されます。表紙の名称が「簡易鑑定」、「調査報告書」、「価格意見書」等々、いかなる名称であっても、遵守する必要があります。 いろいろと細かな規定が定められていますが、要約すると、不動産鑑定士が不動産の価格等を文書等に表示する調査は、すべて不動産鑑定評価基準に則って行うこと、不動産鑑定評価基準に則ることが出来ない場合は、その理由を記載して、鑑定評価書の利用範囲を限定して取り扱うことが定められました。

不動産鑑定評価基準とは、我々不動産鑑定士が準拠すべき評価の規準で、不動産の価格を求めるに当たり、原価法、取引事例比較法、収益還元法の三手法を適用することや、鑑定評価書への記載事項等が定められています。

しかし、簡易鑑定の多くは、残念ながら、この不動産鑑定評価書に則っていないことが多いようです。

最も多く見られるのは、鑑定評価で適用すべき三手法の内、取引事例比較法しか適用していないケースです。もちろん、その手法の適用が困難ということで、すべての手法の適用が行われないケースもありますが、その際には、その理由を記載しなければなれません。そういった記載のなかったり、どうみても収益還元法が適用できるのに省略しているケースが多いです。(そもそも定型フォーマットに収益還元法がなかったりする。)

また、必要な記載事項がもれているケースも多いです。簡易鑑定のフォーマットが作られたのが古いのでしょうか?基準改正により新たに加えられた項目が落ちていることが多いです。

特に、よく落ちているのが、地域分析や個別分析における「同一需給圏内の範囲及び状況」や、建物及びその敷地の評価における「土地・建物一体での最有効使用の判定」に関する記述で、国土交通省による業者への立入検査でも指摘されています。
お手持ちの不動産鑑定評価書には、ちゃんと記載されていますか?

こういった記述の漏れは基準違反ですので、訴訟等の場面においては、鑑定評価書の有効性を問われることになります(私も争訟の相手方がそういう鑑定評価書を出してきたら、容赦なくそこを責める様アドバイスしています。)。いくら安いとはいえ、せっかくお金払って作ってもらったのに、そんなことで使えなくなったら、お金をどぶに捨てたようなものです。

正直、不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価書を作ったら、多少記載を簡素化しても、それほど合理化効果はありません。むしろそこまでやったら、もうひと頑張りしてちゃんとした鑑定評価書を作成した方が良いに決まっています。ですので、あかつき鑑定では「簡易鑑定」は行っていません。仮に、さまざまな事情により、「簡易鑑定」並みの鑑定料で仕事をいただいた場合でも、クライアント様の利用目的に応じて、必要な内容を記載した「不動産鑑定評価書」を作成するようにしております。

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