商業施設

東京今昔物語 ―企業と東京―

公益社団法人東京都不動産鑑定士協会は創立20周年を記念して、実業之日本社から「東京今昔物語 ―企業と東京―」を出版しました。

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これは、協会の会報誌「かんていTOKYOに連載されていた記事を編集したもので、「東京における不動産と人との関わりについて、都内の優良企業19社と、その企業が関わる地域との変遷を紐解きながら明らかにしていく本書は、読者の知的好奇心を満たしながら、東京という、世界で唯一無二の魅力的な都市の姿を、改めて甦らせてくれるに違いない」と紹介されています。
紹介されている企業は、19社。いずれも一流老舗企業ばかりで、会社名と街の名前がセットで思い浮かばれる組み合わせばかりです。

【目次】
第1章 銀座と資生堂の歩み
第2章 丸の内の街と三菱地所の歩み
第3章 日比谷の街と帝国ホテルの歩み
第4章 恵比寿の街とサッポロビールの歩み
第5章 田園調布と東京急行電鉄の歩み
第6章 新宿の街と中村屋の歩み
第7章 超高層ビル建築と三井不動産の歩み
第8章 明治神宮と明治記念館の歩み
第9章 日比谷公園と松本楼
第10章 国立学園都市開発と西武グループの歩み
第11章 虎ノ門・神谷町界隈とホテルオークラ東京の歩み
第12章 赤坂界隈と虎屋の歩み
第13章 浅草橋界隈と吉徳
第14章 青山に育まれて……紀ノ国屋
第15章 葛飾とタカラトミー
第16章 「都市をつくり、都市を育む」森ビルの歩み
第17章 石川島、豊洲とIHI
第18章 京橋と味の素社の歩み
第19章 浅草界隈とマルベル堂の歩み


この本が売れて協会が儲かると言うことはないのですが、話題になって店頭に並ぶようになれば協会の広報活動になるので、せっせと話題作りに汗をかいてます。
実際、なかなか読み応えがある本なので、是非お買い求めいただけると嬉しいです。

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不動産鑑定士 四方田 修

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【平成26年度地価公示】アベノミクスと再開発(東京都中央区)

平成26年度地価公示が発表されました。

概況を見ると、
平成25年1月以降の1年間の地価について
○全国平均では、住宅地、商業地ともに依然として下落をしているものの下落率は縮小傾向を継続。
○三大都市圏平均では、住宅地、商業地ともに上昇に転換。
○上昇地点数の割合は全国的に大幅に増加。特に三大都市圏では、住宅地の約1/2の地点が上昇、商業地の約2/3の地点が上昇。一方、地方圏では住宅地、商業地ともに約3/4の地点が下落。
○都道府県地価調査(7月1日時点の調査)との共通地点で半年毎の地価動向をみると、三大都市圏の住宅地はほぼ同率の上昇、商業地は後半上昇を強める。また、地方圏の住宅地、商業地ともに後半は下落率が縮小。
ここでは、商業地について、東京都中央区(中央通り沿い)を例に、さらに詳しく見ていきたいと思います。
平成2~3年を頂点とする不動産バブルが崩壊してから、長らく地価は下落し、底を打ったのが平成15年頃ですので、それ以降の地価推移をグラフにしてみました。

Photo_2

銀座:公示地5-22 銀座4-5-6
日本橋:公示地5-35(※) 日本橋2-1-10 ※平成5-4825年度以前は公示地
京橋:公示地5-33 京橋1-6-1
三越前:基準地5-6 日本橋室町1-5-3


証券化バブルと言われる平成19~20年をピークとして、リーマンショックの平成20年後半から、大きく下落し、その後、ほぼ横這いで推移していましたが、ついに上昇へと反転しました。
要因としては、アベノミクスをはじめとする金融緩和策により、財布のひもが緩み、店舗需要が高まったことによるものと思われます。
しかし、上昇率には、若干差が生じています。
中でも銀座は、海外の高級ファッション・ブランドが旗艦店を出店するようになってから、銀座の価値は急速に高まりました。平成15年頃には、他のエリアの1.5倍くらいの水準でしたが、その差はほぼ倍にまで膨らんでいます。
その要因としては、商業地として洗練されてきたことに加え、銀座2丁目での相次ぐ再開発等により、街としての付加価値が高まったことが挙げられると思います。
地価が上昇する要因としては、様々なものが考えられますが、日本経済の歴史の中では、経済成長や金融緩和によるものが大きかったと思います。
しかし、これからは、人口の減少や製造業の海外シフトなどにより、今までのように自然と地価が上昇するというのは難しくなっていくでしょう。そうなると、他の都市(街)との付加価値(集客力)の差が、地価に反映されるようになってくるでしょう。
そうした観点からは、近年大規模な再開発を行った京橋や日本橋室町(三越前)は、今後、銀座の背中を追っていくことになると思います。特に、この春に大規模商業施設が開業する室町は、7月の都道府県地価調査(基準地)で、地価上昇が観測されることでしょう。
まだまだ計画中や開発中のビルも多いので、東京オリンピックの頃には見違えるようにきれいな街になっていることでしょう。
中央区が、中央通り沿いに地区計画を設定してきた甲斐もあり、とてもきれいな街並みが出来上がりつつあります。平成バブルの頃は、交通利便性に富む新宿や池袋に肩を並べられていましたが、ここに来て街としての文化的な魅力が効いてますね。
個人的には、中央通りに路面電車でも走らせて、この景観を世界中の人に見てもらいたいものですが・・・。

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H25年度都道府県地価調査(渋谷と新宿)

H25年度都道府県地価調査が発表されました。


全国平均では依然として下落しているものの、下落率の縮小傾向が継続し、上昇地点数の割合は全国的に増加しました。

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2


三大都市圏平均では、景況感の改善による住宅需要の拡大に加え、低金利、住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えもあり、住宅地はほぼ横ばいとなりました。
商業地は、不動産投資意欲の回復により、上昇に転換しました。これは、堅調な住宅需要を背景に、商業地をマンション用地として利用する動きや、主要都市の中心部において、BCP(事業継続計画)等の観点から、耐震性に優れる新築・大規模オフィスに対する需要が拡大していることも要因として挙げられています。
都心では、景気回復によるものの他、街の利便性向上等による地価の上昇も見られました。特に、鉄道の新線開通は大きな影響を与え、時に都市間の明暗を分ける結果も生み出しています。
下のグラフは、渋谷(道玄坂2丁目文化村通り沿い)と新宿(新宿3丁目明治通り沿い)の価格推移を表したものです。いずれも、渋谷・新宿の繁華な目抜き通りで、店舗が建ち並んでいる地域です。

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証券化バブルの始まる前の平成17年頃は、ほぼ同じ価格水準でしたが、地下鉄副都市線開通後平成20年頃から差がつき始めました。平成20年9月、リーマンショックにより地価の下落が始まりますが、新宿は下落幅を小幅に留め、今回の地価調査においても、渋谷と比較して上昇率が高くなっています。
このような店舗が密集する地域の地価は、店舗の賃料が価格に大きな影響を及ぼします。そして、賃料はそこにある店舗の収益性(売上高)によって決まりますので、渋谷より新宿で商売した方が多く売り上げることが出来ると考えている人が多いことを表しているといえるでしょう。
今年の1月には東急東横線が副都心線への直通運転を開始し、渋谷駅は途中駅として通過されてしまうのではないか、という危機感があるようで、駅周辺の都市再開発の成否等が今後の巻き返しの鍵になるでしょう。

この都道府県地価調査の価格時点は、東京オリンピック開催決定前の7月1日ですので、その期待感は含まれていません。渋谷も新宿もメイン会場となる新国立競技場から近く、今後、地価上昇に勢いがつくかもしれませんね。


【関連記事】

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銀座5丁目プロジェクト

以前このBLOGで採り上げた銀座東芝ビル跡地の再開発工事が着工されました。
「銀座5丁目プロジェクト(仮称)」と銘打ち、完成予定は2015年秋だそうです。
新しく出来るビルは、高さ66メートル、地下で銀座駅と直結する地下5階・地上11階、延床面積49,700㎡の規模で、「光の器」という建築コンセプトのもと、伝統工芸である「江戸切子」をモチーフに採用した、とても目を引く外観で、人通りに多い数寄屋橋交差点でとても目を引く存在になることでしょう。
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地下2階から地上11階に渡る13フロアを商業施設とし、数寄屋橋交差点から外堀通りに面して約115メートルにわたって伸びる建物の1階路面店には、ナショナルブランドのフラッグシップを複数誘致して、銀座・有楽町エリアの新たなショッピングストリートに育成するとのことです。
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もともとは、中低層階に阪急百貨店(のちに専門店街の「モザイク」)、高層階に事務所(東芝)が入居していましたが、東急不動産が、SPCを通じて2007年に1,610億円で取得し、その後、立退訴訟が長期化していましたが、60億円で和解となりました。
これまでにかかったお金から見ても2千億円規模の大プロジェクトですが、東急グループにとっては、日本一の繁華街、銀座に拠点を持つことが出来、なんとかオリンピックにも間に合いそうですので、まずは胸を撫で下ろしているのはないでしょうか?
これまで、銀座通りと晴海通り、近年では2丁目のマロニエ通り等を中心に開発が進められていましたが、外堀通りに新たなランドマークが出来ることで、人の流れも変わっていくことが予想されます。今後の動向を注意深く見守っていきたいと思います。

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収益賃料と最有効使用の原則(店舗賃料と売上高)

アベノミクスの効果でしょうか?リーマンショック以降冷え込んでいた繁華街にも、人の姿が少しずつ戻って来たような気がします。景況感の好転により、商業地の賃料も下降から上昇へと転じつつあるようです。

店舗賃料は、店舗の売上高に比例すると言われています。物販・飲食店舗の事業主は、店舗の収益性を重視して出店の可否について意思決定しますので、損益分岐点を上回るのであればそこに出店したいと考えます。そして、その場所で最も高い賃料を提示できる事業者が、その場所で商売するチャンスを得るのです。(最有効使用の原則)

一般的な飲食業等の場合、売上高に対する原価の割合は3割と言われています。そこから人件費や水光熱費等の販売管理費を控除すると、負担可能賃料(だいたい幾らくらいまで家賃を負担出来るか)が計算できます。こうした計算を基に、採算を図ることが出来ると判断すれば出店のゴー・サインが出ますので、店舗の賃料と売上高の間には深い相関関係が認められます。最近では、売上高に連動させた変動賃料も多く見られますね。

ここで気を付けたいのは、家賃を決定するのは「最有効使用の売上高」だと言うことです。

よく、賃料減額訴訟において、賃借人が「最近、売上高が下がってきているので賃料を下げて欲しい」と訴えて来るケースを目にしますが、売上高の低下が、一般的な景気の後退や地域の衰退によるものなのか、それとも当該事業固有の問題なのか、について検討する必要があります。
前者の場合は、どんな事業でも収益性をあげることが難しいので、賃料の減額を免れることは出来ませんが、後者の場合は、テナントを替えることで、賃貸人はより高い家賃を獲得する機会があるはずです。
特に繁華性の高い目抜き通りにおいては、誰もが出店のチャンスを狙っています。たとえ現在の賃借人が退去しても容易に新しい賃借人を見つけることが出来るでしょう。このような状況で、賃料減額を要求されるのは、賃貸人にとって酷です。

そこで、鑑定評価に当たっては、まず、対象不動産において、どのような事業者が最も収益を獲得し、高い家賃を払うことが出来るかを十分に検討することが必要です。

この最有効使用は時代とともに変わって行きます。かつては高い収益性を背景に、駅前一等地に大きな店舗を構えていた百貨店が、家電量販店にその場を譲っているのは、賃料負担能力が逆転したからです。

【参考】「百貨店から家電量販店(新宿三越アルコット閉店)」
http://akatsuki-rea.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-9118.html

全国展開しているチェーン店等は、大量仕入れによる原価削減、店舗の情報化や物流の最適化合理化により、高い収益性を示しており、また、店舗開発要員が全国の繁華街で出店可能性を探っていますので、商業集積地において最有効使用であることが多いです。収益賃料を査定するにおいては、これらのチェーンを運営している企業の財務データを活用することが有効です。

こうして求められた収益賃料に対して、現行賃料が下回っている場合、たとえ現賃借人の売上減少により家賃負担が厳しくなっていたとしても、直ちに賃料減額を受け入れる必要はないと言えるでしょう。もちろん、客観的な数字を示すことが重要です。ですので、店舗賃料の鑑定評価書を作成する際は、手間暇を惜しまずやっていくことが大切ですね。

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セルフ式も頭打ち~ガソリンスタンドと土壌汚染

先週土曜日の日経新聞朝刊に、セルフ式ガソリンスタンドが、2011年第一四半期にはじめて純減したとの記事が出てました。

給油所と言えば、「レギュラー満タン」「窓は拭いてよろしいですか?」等とやり取りしながらのフルサービスが当たり前でしたが、1998年4月にセルフ式ガソリンスタンドが解禁されて以来、気軽さと価格の安さが支持されてその数を増やしてきました。しかし、セルフ式スタンドは価格でしか差別化を測れないため、都市部では価格競争が激化し、収益力の低下が深刻化していました。そこへ、原油価格の急騰、若者の自動車離れ等、経営環境の悪化が襲いかかります。

銀行時代、給油所を担当していたことがありますが、ガソリンの売上比率が高い業者は概して収益性が悪く、常連客が多く、点検やオイル交換、カー用品販売等の収入の多いスタンドの方が利益率が高い傾向にあります。

記事では、「価格しか遡及できないセルフ式の淘汰が始まっている。(JX日鉱日石エネルギー)」、「セルフ化率は3割が上限。(コスモ石油)」等のコメントが紹介されていましたが、廃業に追い込まれるスタンドも多く出てくることでしょう。

そこで問題となるのが、給油所跡地です。

不動産鑑定の立場から見ると、給油所跡地には大きな問題が二つあって、ひとつは地下に埋設された貯蔵タンク、そして土壌汚染の問題です。

給油所の施設を取り壊して新しい建物を建てる場合、基礎工事の邪魔になるため、地下埋設貯蔵タンクをそのままには出来ません。撤去には多額の費用がかかります(これは、銀行店舗の「金庫」にも同じことが言えます。)。

そのため、郊外の給油所等は閉鎖された後も、施設はそのままにして、中古車販売店やコンビニエンスストア等に模様替えして使っている例をよく目にします。しかし、これでは、最有効使用の実現は困難です。

仮に撤去したとしても、土壌汚染の問題が残ります。

タンクが老朽化して破損し、中の油脂類が地中に漏れ出している場合、油臭や降雨時の水たまりに油膜が浮く等の問題が生じる可能性があります。

・・・と、ちょっと迫力のない書き方をしてしまいましたが、実は、「油汚染」については、人への健康影響が少ないとして、土壌汚染対策法の対象ではないのです。

土壌汚染対策法で規制されているのは、ガソリン成分の内、1%程度しか含まれていない「ベンゼン」と、今は成分に含まれていない「鉛」です。

鉛については、1980年頃までは「有鉛ガソリン」が販売されていましたので、古い給油所の場合、注意が必要ですが、問題になるケースはそうは多くないものと思われます。

問題なのは「油汚染」ですが、2006年に「油汚染に関するガイドライン」(http://www.env.go.jp/water/dojo/oil/01.pdf)が制定されています。

本ガイドラインでは、油臭や油膜といった生活環境保全上の支障の除去を対象としており、油含有土壌の存在自体ではなく、それによって生じている油臭や油膜を対象とすることにしている点が特徴です。すなわち、近くに地下水がなければ、対象にはなりませんし、地下水があっても井戸水等として利用されておらず、油臭や油膜が問題となっていないならば、油汚染問題としてとらえる必要はないというものです。

但し、不動産鑑定の観点で観ると、油含有土壌に起因する地表や井戸水等の油臭や油膜については、それらが感覚的に把握できたときには、成分の分析を待つまでもなく不快感や違和感があることなどの生活環境保全上の支障を認識できるので、土壌汚染対策法やガイドラインに触れていなくても、価格を下げる可能性があるといえます。

一旦、汚染が明るみに出ると、その土地に対するスティグマ(心理的嫌悪感)により、土壌改良などの対策が行われた後でも、価格に影響を与えることがあります。(このスティグマについては、東日本大震災後の不動産の評価に大きな影響を与えるため、既に様々な考え方が発表されています。これについてはまた後日・・・。)

具体的な評価については、ケースバイケースですが、掘削除去や土壌改良の費用を控除し、その間の期間損失(逸失利益)、スティグマ等を総合的に勘案して評価する必要があります。土壌改良には安価なものもありますが、その分期間が長く使用収益出来ない等のケースも見られるので、案件ごとによく分析する必要がありそうです。

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【平成23年路線価】「専門店」と「新幹線」

7月1日、財産評価基準書(相続税路線価)が発表された。

便利な時代になったもので、今の時代、インターネットを通じて各地の新聞(地方版)を、見ることが出来ます。そんな中から気になった記事を紹介します。

7月2日付朝日新聞(福岡)

「福岡国税局は1日、2011年分の県内の路線価(1月1日時点)を公表した。県内18税務署の最高路線価のうち、福岡市内の2地点で価格が上昇し、・・・(中略)・・・ 18税務署の最高路線価のうち、価格トップは31年連続で福岡市中央区天神2丁目(ソラリアステージ前)。昨年比1・1%増の464万円で、全国の県庁所在都市の最高路線価では唯一の上昇となった。昨年比2・5%増となった同市博多区博多駅前2丁目(福岡センタービル前)は、九州新幹線の全線開通を目前に控え、不動産需要の増加によって価格が上昇したとみられる。天神と博多は10年分では16%を超える下落率を示していた。

福岡県では、2か所が上昇地点があったという記事ですが、この二つの地点には、現在の商業地の経済価値を高めるキーワードがあります。「専門店」と「JR」です。

「ソラリアステージ」と言っても、ピンとこない方には、「天神岩田屋本館」や「西鉄福岡駅」と言った方がわかりやすいでしょうか?2010年3月に旧岩田屋本館跡地に専門店パルコが開業し、西鉄福岡駅周辺の回遊性が向上し、地価上昇に結びつきました。

これまで、このBLOGでも駅前立地の商業施設が、百貨店から専門店へのシフトしていることについて再三書いてきましたが、これは全国的な流れになっています。

【関連記事】

大阪百貨店戦争の勝者は?

百貨店から家電量販店(新宿三越アルコット閉店)

そして、もう一つのキーワードが、「JR」です。

今年3月の九州新幹線全線開業や新駅ビル「JR博多シティ」のオープンを当て込んだ動き(路線価の評価時点は開業前の1月1日)で、博多駅周辺は多くの地点で地価が上昇しました。

もともと江戸時代以前の都市の成り立ちは、城下町、門前町、宿場町等ですが、全国に鉄道が整備された明治時代には蒸気機関車が主流だったため、火事や煤煙を嫌って、街の中心部から離れたところに駅を造りました。

こうした経緯から、その後、多くの都市で、市街地に乗り入れて通勤通学客を運ぶのは後から出来た私鉄(または市電等)、駅間距離が長く、本数の少ない国鉄(今のJR)は主に都市間輸送担うという住み分けが、暗黙の了解の内に出来ていました。

ところが、国鉄が民営化してJRとなってから、状況は一変します。少子高齢化が進み、乗降客数が伸び悩むようになると、JRは新駅を造って利便性を高めると同時に、ターミナル駅に商業施設を開設する私鉄型の経営に舵を取ります。

JRは、都市間輸送重視のため路線延長が長い上に、ほぼ直線的に路線が引かれているため、同じ距離を短時間で結ぶという強みがあるため、並行する私鉄に対して圧倒的に有利です。

最近、顕著な例としては、JR大阪駅やJR名古屋駅が挙げられます。

【関連記事】

鉄道と地域要因の変化(JR大阪三越伊勢丹と阪神大震災)

また、JRの中でも最も大きなインパクトは、やはり「新幹線」です。

九州新幹線の開業効果は、博多だけではなく、鹿児島においても、これまでの中心市街地である天文館から、鹿児島中央駅周辺へのシフトが見られます。

新幹線効果は、3年後に開業が予定されている北陸地方にも波及しているようで、私が学生だった頃には何もなかったJR金沢駅前は、立派な駅ビルが建ち、現在も飲食店などの出店が増えている等、香林坊・片町といった繁華街を脅かしつつあります。

今後、魅力ある商業施設の誘致や、駅との回遊性を高める(LRT)等の対策が必要となるでしょう。

全国的なこの現象は、今後さらに加速していくと予想されます。都市は生き物です。人口動態が大きく変化していく、これから10年後、20年後に日本の都市の形がどのように変化していくのか要注目です。

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大阪百貨店戦争の勝者は?

週刊ダイアモンドのWEB版「DIAMOND online」の記事です。

大阪百貨店戦争に苦戦するJR大阪三越伊勢丹の誤算

http://diamond.jp/articles/-/12866

5月に開業した大阪ステーションシティ。ノースゲートシティには、三越伊勢丹グループが入居し、阪急阪神の牙城を崩す黒船襲来と話題になりました。

しかし、記事によると、三越伊勢丹のオープン初月の売上高は45億円で、初年度売上高の目標550億円から見ると、オープン特需の割には意外と売上が伸びていないようです。

一方、同じくノースゲートシティに開業した専門店街ルクアLUCUAは41億円と、初年度売上高目標250億円に対し、進捗率16.4%と好調で、その後の売上高は、既に三越伊勢丹を凌いでいると言われています。

三越伊勢丹が梅田のガリバー阪急阪神の圧力によって取引先からの商品供給で不利があったのに対し、ルクアでは、25~34歳の女性をターゲットに、テナント誘致では、「合同説明会は行わず、こちらから営業に出向いて一本釣りした」(ルクアの運営会社、JR西日本SC開発の中山健俊社長)ことで、人気のブランドを1階から高層階まで揃えたのが、この差につながっているようです。

ここにきて、百貨店の時代の終焉と、専門店の躍進のニュースが多く報じられています。

以前、BLOG百貨店から家電量販店(新宿三越アルコット閉店) で取り上げたように、売り場効率(店舗売上高÷売り場面積)で専門店が百貨店を上回るようになってきており、家賃負担能力の低下した百貨店が駅前から撤退し、跡に専門店が入るようなケースも多くみられています。(数寄屋橋の有楽町西武跡地にルミネが入居してのは記憶に新しいところです。)

ファッションビル等の専門店は、売上高に比例する歩合賃料を導入していることが多いため、テナントの選定は経営の最重要課題。流行や売れ筋情報を徹底調査して売り場作りに注力し、逆に売上下位に低迷するテナントは入れ替える等の競争原理を導入する等、厳しい環境で育ってきています。一方、百貨店は未だにメーカー任せの売り場作りや返品制度の上に安住し、完全に後れを取ってしまったようにも見えます。

Map

駅を挟んで反対側の大丸梅田店は、4月に全面改装をした際、東急ハンズやポケモンセンターオーサカなどの中核テナントを新たに誘致して若者らの集客に成功し、来店客数も同2.5倍の464万人、売上高は前年同月比73.6%増と好調でした。百貨店もこのように専門店化していくのでしょうか?

伊勢丹は百貨店の中では売り場づくりの上手さに定評があるので、これから軌道修正を図っていくと思いますが、阪急百貨店の増床が完成する頃、梅田の勢力図がどのように変わっているか、注意深く見守っていきたいと思います。

【関連記事】

鉄道と地域要因の変化(JR大阪三越伊勢丹と阪神大震災)

百貨店から家電量販店(新宿三越アルコット閉店)

数寄屋橋阪急(モザイク銀座阪急)の立退料は60億円

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銀座6丁目再開発~これからの銀座を占う

6/7付の日本経済新聞朝刊によると、森ビルとJ・フロントリテイリング(JFR)は、松坂屋銀座店周辺を再開発し、2016年にも銀座地区最大の商業施設を出店する方針を固めました。

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再開発の対象となる敷地面積は約1.4haで、2013年までに松坂屋銀座店を閉店し、中央通り側の9,000㎡にオフィス、多目的ホールなども有する複合ビルビル(地上12階、地下6階、総延床面積約14万㎡)を建築、その内、店舗面積は4万~4万5千㎡(現在の銀座店の高さは31mで売り場面積は約2万5千㎡)で、先日増床改装した三越銀座店約3.6万㎡を上回り、銀座地区最大の商業施設となります。

新しいビルは、屋上緑化や電気自動車用充電設備付き駐車場の設置等の環境対策や、防災備蓄倉庫、帰宅困難者一時収容施設の設置などの防災対策も提案。地下鉄銀座駅からあづま通り部分に地下道を新設し、新たな歩行者動線を導入する計画案も盛り込まれています。総事業費は800億~900億円と報道されています。

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この計画は2002年、森ビルと松坂屋の共同出資による企画調査会社「株式会社銀座都市計画」を設立して再開発計画に着手、ホテル等が入る高さ約190mの超高層ビルの計画を発表しましたが、同地区の景観を守りたい地元との協議が難航し、計画は大幅な見直しを迫られました

銀座の建物は戦後復興の1960年代までに建設されたものが多く、当時の建築基準法により高さ31mに制限され、統一された景観を形成してきました。この優れた景観を守るため、1998年に地区計画「銀座ルール」を制定し、建物の最高高さを道路幅に応じて13~56mに制限しました。

2002年に都市再生特別措置法の「緊急整備地域」に指定され、容積率が大幅に緩和されると、銀座においても再開発による建物の高層化の機運が高まることとなり、この松坂屋周辺の再開発や、歌舞伎座の高層化計画が明らかになります。2005年には都市計画法の特定街区制度を活用して銀座八丁目に121mの銀座三井ビルディングが建設されました。

こうした動きを受け、銀座ルールの見直しが進められます。2006年には、昭和通りより西の銀座中心部では一切の例外を禁止して建物の高さを56mに抑え、今まで規定のなかった屋上広告についても最大で10mまでとする新しい銀座ルールが施行されました。

一方で、昭和通りより東では、区長が「文化等の維持・継承に寄与する大規模開発」と判断した場合に限って56mを超える建物の建設が許可されることになり、歌舞伎座の再開発は認められます。

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この新しい銀座ルールにより、ホテルを含めた超高層ビルの建築計画は、建築規制に合わせたものへと再検討されます。高さを56m(広告塔を入れて66m)に抑えた結果、各フロアーの面積が広くなることで、店舗やオフィスとしての価値が高まることとなり、商業施設とオフィスを中心とした建物へと用途が見直されることになりました。(この辺りは最有効使用の判定において非常に参考になりますね。)

しかし、現在銀座・有楽町地区は、増床された三越や、有楽町西武跡地へのルミネ進出等、競争は熾烈です。

新店舗には、JFRの百貨店の他、国内外の有力百貨店を誘致し、大型観光バスの停留所も作る計画とのことですが、これは外国人観光客を意識した計画でしょう。

松坂屋銀座店といえば、昨年11月に、の6階部分(1,326㎡)に家電量販店LAOXが進出して話題になりました。有楽町駅前のビックカメラと比べて非常に小さな売り場面積にもかかわらず進出を決意したのは、「銀座ブランド」により外国人観光客を積極的に取り込むことで競合が可能との判断によるものです。これも景観の保全によるブランド維持の結果と言っては言い過ぎでしょうか?

東日本震災の影響により外国人観光客が大幅に減少していますが、いずれ賑わいは戻ってくるはずです。

規制緩和の流れに逆行して、大規模開発より街並みの保全を選んだ銀座の今後の動向を見守りたいと思います。

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鉄道と地域要因の変化(JR大阪三越伊勢丹と阪神大震災)

5月4日にJR大阪三越伊勢丹が開業しました。JR大阪駅から直結した新駅ビルには、一日平均20万人が来場するそうです。

大阪梅田と言えば、これまでは阪急でした。「阪急うめだ本店」の歴史を遡れば1920年に東京の日本橋白木屋(今のcoredo日本橋ですね。)を「出張売店」として招致して開店した世界初の駅ターミナル・デパートで、1929年に鉄道会社直営となり、日本初の電鉄系百貨店です。

そんな老舗の阪急百貨店も、今回の三越伊勢丹の開業を指をくわえて見ていたわけではありません。全面建て替え計画を発表、地上41階、地下2階(高さ187メートル)、延床面積が25万2千㎡の新ビルを建設し、阪急うめだ本店は同ビルの低層階部分(地上13階~地下2階)の営業面積8万4千㎡の日本最大級の百貨店に生まれ変わり、JR三越伊勢丹連合を迎え撃つ予定でした。

しかし、2012年春完成予定であった計画は、地下の構造物の撤去に予想以上に期間を要し、地盤整備工事が構想通りに進捗していないとして、2012年度中の完成予定に延期することとなってしまいました。スピードが勝負のこの業界。建て替え工事が長引くと、お客さんが三越伊勢丹=JR大阪駅の方に定着してしまう可能性もあります。

関西は、私鉄の競合が激しい地域です。阪神間は、海岸線からわずか数キロの範囲に阪神、JR(国鉄)、阪急が並行して走る大激戦区。そんな中、鉄道輸送と流通(百貨店)の相乗効果で沿線開発を行う阪急(山側)、阪神(海側)に対し、真ん中に挟まれた国鉄は、各駅間の距離も長くちょっと競争の蚊帳の外にいる感じでした。

しかし、1995年に阪神大震災が発生すると状況が一変。高架率の高かった阪急、阪神は、高架下利用者との交渉、沿道倒壊家屋などから復旧に時間を要している間に、いち早く運転を再開したJRは輸送客数を増やしていきました。

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民営化による競争意識の高まりもあって、新型車両投入や新駅開設等のサービスも向上しました。(逆にスピード競争の行き過ぎが、JR宝塚線の事故を起こしたのも記憶に新しいところです。) この結果、輸送人員の移動は一時的なものにとどまらず、多くの利用客がJRに乗り換えました。

そして、今回の新駅ビルの開店で、JRの相対的な地位がさらに高まることが予想されます。バブル期をピークに輸送人員の落込みに悩む私鉄各社にとって、JRの台頭は頭の痛いところでしょう。

関東でも、これまで流通とは無縁と思われていたJRや東京メトロが、駅中の開発に注力するようになって、百貨店を脅かしています。こういったサービス競争は沿線イメージの向上につながり、ひいては沿線の不動産価格に影響を与えることになるかもしれません。

また、今回の東日本大震災では、3月11日は鉄道各線運休が相次ぎ、多くの帰宅難民を生み出しました。その後、運休は長期に及ぶことはありませんでしたが、当日中に運転再開した路線と、早々と当日中の復旧はないとして駅から乗客を締め出した路線とでは、イメージが違ったと思います。安全と利便性という二律背反の課題ですが、今回は早く復旧した鉄道会社が点数を稼いだ形になったようです。

阪急は、先日神戸阪急の閉店を発表しました。競争が激化する梅田に経営資源を集中させるのが目的と言われていますが、この果てしなく続く戦いの行方に注目していきたいと思います。

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