税金

タワー・マンション・ブームに黄信号?

以前、「湾岸タワーマンションと相続税対策」という記事を掲載させていただきましたが、最近税改正で有利でなくなるらしいという噂を聞くようになりました。

調べてみますと、『旬刊速報税理』という雑誌に掲載された平成27年度路線価についての記事中にさらっと書かれた次のコメントが発端らしいです。

【以下、記事抜粋】
「一方、気になるのは、“タワーマンション節税”に対する動き。高層マンションに居住するほど、その敷地の評価額に掛ける持分割合は下がり、相続税評価額が時価に比べて低くなるのを利用したものだが、高層マンションが林立する中、何らかの評価方法がパブリックコメントに掛けられる模様だ。」

さすがに税務当局も黙ってはいないというところでしょうか?

この記事が掲載されたのが今年(平成27年)7月で、現時点(平成27年10月)では、まだパブリック・コメントも募集されていませんし、これから順調に評価方法の見直しを行っていったとしても、2020年の東京オリンピックに間に合うかどうかという感じではないでしょうか?(気合い入れて短期間にルール変更されるかも知れませんが・・・)
いずれにしても、税務当局がこの問題について関心を持っていることは間違いなさそうです。

私は、税務の専門家ではありませんので、今後の展望についてコメントを求められても困るのですが、税理士さんのブログなどを拝見しておりますと、いかにも露骨な節税対策でタワー・マンションを買っていると、時価で申告するように求められたりもしているそうですので、実際の節税効果の程は、税理士の先生にご相談された方が良いかも知れません。

但し、固定資産税については間違いなく節税効果はあると思いますので、実際にそこに永く住んでいれば、当分の間はそれなりのメリットを享受できることでしょう。

あくまでも、私が以前に書いた記事は、そういう思惑でタワーマンションが買われて、それが地価に波及したという、経済現象の解説ですので悪しからず・・・。
H27.11.3.追記
この記事を書いた直後の2日、国税庁が全国の国税局に対し、タワーマンションを使った相続税対策への監視を強化するよう指示していたことが判明し、新聞などで報道されました。
財産評価基本通達総則第6項には、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」という規定があり、例えば、被相続人がなくなる直前にタワーマンションを購入して、死後すぐに売却した場合等にこれを適用して、実際の売却価格で評価する等のケースが考えられます。

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不動産鑑定士と印紙税(平成26年度印紙税法改正)

あまり不動産鑑定とは関係ありませんが、平成26年4月1日より印紙税法が改正になります。

「領収証」等にかかる印紙税の非課税範囲が拡大されました(国税庁HP)


現在、「金銭又は有価証券の受取書」については、記載された受取金額が3万円未満のものが非課税とされていますが、平成 26 年4月1日以降に作成されるものについては、受取金額が5万円未満のものについて非課税とされることとなりました。

高額の買い物をすると、レシートに収入印紙が貼ってあったりしますが、買い物の金額がこれまでの3万円以上から5万円以上に引上げられますので、減税になります。

ちなみに、不動産鑑定士がその業務上作成する領収証(受取書)は非課税です。
よく収入印紙が貼ってないということで、ご質問を戴くのですが、印紙税法にそう定められています。

印紙税法

(課税物件)

第二条  別表第一の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する。

(非課税文書)
第五条  別表第一の課税物件の欄に掲げる文書のうち、次に掲げるものには、印紙税を課さない。
一  別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書
二  略

印紙税法では、課税文書と非課税文書が別表第一に定められていて、その十七番目に課税文書が定められています。

別表第一の十七
1 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書
2 金銭又は有価証券の受取書で1に掲げる受取書以外のもの


売上代金を金銭などで受け取る場合、課税対象ですが、非課税物件の欄には、次のように記載されています。


2 営業(会社以外の法人で、法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることができることとなつているものが、その出資者以外の者に対して行う事業を含み、当該出資者がその出資をした法人に対して行う営業を除く。)に関しない受取書


(カッコ)内が長いので無視して、「営業に関しない受取書」について、印紙税法の基本通達で、次のように定められています。


印紙税法基本通達

別表 第1 課税物件、課税標準及び税率の取扱い
第17号文書
(弁護士等の作成する受取書)
26 弁護士、弁理士、公認会計士、経理士、司法書士、行政書士、税理士、中小企業診断士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士、設計士、海事代理士、技術士、社会保険労務士等がその業務上作成する受取書は、営業に関しない受取書として取り扱う。

一般に士業と呼ばれる専門家が行う業務においては、「営業に関しない受取書(=非課税)」と取り扱うとなっています。

と、なかなか深いところまで読み込まないとわからないので、今後、説明を求められたときに、「こちらのBLOGをご覧下さい」で、スムーズにご理解いただけるようにしたいものですね。

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【平成26年度地価公示】湾岸タワーマンションと相続税対策

先日発表された平成26年度地価公示では、低金利や住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えや景況感の改善による住宅需要拡大等もあって、都道府県全てで、住宅地の地価下落率縮小や上昇への転換等が継続して見られました。
特に利便性、住環境等に優る住宅地では上昇基調が顕著となっており、中でも、オリンピック・パラリンピック開催決定に伴うインフラ整備への期待等から中央区、江東区では湾岸部でのマンション素地需要が堅調となりました。

湾岸部で地価上昇を牽引しているのは、超高層タワーマンションの建設ラッシュです。
眺望の良さや、広い共用部分(豪華なエントランスの他、展望フロアやスポーツジム、パーティルーム等々)などで人気を集め、売り出せば即日完売ということで、都心に近接し、開発用地が取得しやすい湾岸部(月島、豊洲、勝ちどき)にたくさんのタワーマンションが建ちました。
建設ラッシュが続く中、平成23年に東日本大震災が発生し、津波だけでなく液状化問題、交通網寸断によって孤立化するなどのイメージから、タワーマンションの売れ行きを危ぶむ声も聴かれましたが、マンションディベロッパーも免震・制震構造をアピールして、悪いイメージを払拭し、現在の人気へと繋げています。

昨年、売り上げが好調だった要因としては、やはり消費税の増税前の駆け込み需要が挙げられます。高い買い物なだけに、3%の違いは大きいですからね。

しかし、どうもこの他に、相続税対策としてもタワーマンションが好まれているようです。

実際、話しを聞いていますと、富裕層が高層階の高級住戸を数戸まとめて買っているそうです。(景気がよろしいようで・・・。)
なぜタワーマンションが相続税対策として有効かというと、相続税額の評価方法と関係があります。
相続税は、通常、財産評価基準に基づいて、評価額を算定します。
土地については、国税庁が発表している路線価に基づいて計算しますが、路線価は、公示地価格の8割程度に設定されています。
建物については、固定資産税評価額が採用され、建築価格の60%程度と言われています。これだけでも、現金で持っているよりも、相続財産を安く評価してもらっていることになりますね。

さらに、タワーマンションの場合、高層階の住戸程、相続税の節税効果が高いということがあります。
一般的に、同じ面積・間取りの住戸でも、高層階の方が眺望・採光に優れ、地上からの騒音が少ない等の理由で高く売られています。
しかし、相続税の計算を行う際には、土地については一棟全体の敷地の評価額に持ち分割合を掛けることによって計算し、建物については建物全体の評価額に対する専有面積割合を掛けることによって算定されますので、階層による評価額の違いは発生しません。
即ち、同じ間取りであれば、低層階でも、高層階でも評価額が同じと言うことになります。
ところが、実際には、高層階と低層階では販売価格に大きな差があります(3割くらいは当たり前!)。ここに、市場価格と相続税評価額にギャップが生じます。高層階の高い住戸ほど、相続税評価額が割安と言うことになります。

今後、相続税の課税強化(最高税率の引き上げや、基礎控除額の引き下げ)が予定されているため、相続税対策として需要が高まってきているというのです。

需要が高まれば価格は上昇します。そして、物件が高く売れれば、新たに建設しようという意欲は高まりますが、超高層マンションは、広い敷地と接面道路を要し、さらに数々の公的規制をクリアしていかなくてはいけませんので、開発用地は限られます。必然的に、複数の業者が競合することになり、さらに地価が上昇するという仕組みです。

地価の上昇は、資産効果による消費拡大など、経済にプラスの面が大きいので歓迎ですが、今後予想される消費税増税や人口減などの影響を見極めていく必要があるでしょう。


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広大地の判定(区画割をした戸建分譲地か?路地状開発か?)

不動産鑑定評価は、税金を申告する際にもしばしば利用されます。

中でも多いのが、相続税や贈与税の申告の際の「広大地」の判定に係るご相談です。

「評価基本通達24-4」は、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な土地で開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの価額は、次の算式により求めた広大地補正率を乗じて計算した金額によって評価する旨定めています。

【算式】
広大地補正率 = 0.6  - 0.05 × (広大地の地積/1,000㎡)

例えば500㎡なら57.5%の広大地補正率となりますので、評価額がかなり低く抑えられます。
なお、本件通達は、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは、広大地に該当しない旨定めていますので、一般的には、戸建住宅分譲用地として開発されることが合理的と考えられる土地が対象になります。

しかし、この「広大地」の概念が画一的でないので税務当局と申告書の間で見解が食い違うことも多いようです。
特に、問題となるのが、路地状開発との兼ね合いです。

路地状開発とは、路地状部分を有する宅地を組み合わせ、戸建住宅分譲用地として開発することをいいます。

最近、国税不服審判所のHPに掲載された裁決事例を紹介いたします。

詳しくは下記アドレスのHPを参照願います。、
http://www.kfs.go.jp/service/JP/83/22/index.html

対象不動産は、間口距離が19.10㎡、奥行距離が27.83㎡のほぼ長方形の形状をした面積が528㎡の宅地で、戸建住宅分譲用地とすることが合理的であるという点については、双方同じ見解ですが、区画割りの方法が異なります。

審査請求人は、下図の通り区画割りを行う開発が合理的と判断し、公共公益的施設用地(この場合は道路)の負担が必要と判断されるため広大地として申告しました。

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これに対し原処分庁(国税庁)は、下の図のように路地状開発を行えば、公共公益的施設用地の負担が必要ないため、広大地ではないと主張し、土地の評価額に誤りがあるとして、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしました。

Photo

国税不服審判所は、下図のように道路を開設して開発するのが経済的に最も合理的な開発であると認められるとして、原処分庁の更正処分を取り消すべきとの判断を下しました。

Photo_4

見比べていただきたいのですが、原処分庁の主張する開発想定図と請求人が主張する開発想定図は、それぞれ出来上がった区画割りを見ると、道路(路地状部分)の幅が4mと4.5mの違い以外に、見た目は殆ど変わらないと思われます。

しかし、路地状敷地による開発(旗竿開発)の場合は、路地状部分を通路に限らず駐車場としても利用できるので、公共用地と見なされません。本件の場合、広大地補正率は57.36%ですので、この差はとても大きいですね。

国税庁のHPによると、「路地状開発を行うことが合理的と認められる」かどうかは次の事項などを総合的に勘案して判断するとしています。

①路地状部分を有する画地を設けることによって、評価対象地の存する地域における「標準的な宅地の地積」に分割できること

②その開発が都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の法令に反しないこと

③容積率及び建ぺい率の計算上有利であること

④評価対象地の存する地域において路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること

裁決の内容を見ますと、特に④の内、「評価対象地の存する地域」の範囲や、「路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること」の判定を非常に丁寧にやっているなあと言う印象を受けます。

この辺の判断は、評価対象地の存する地域の標準的使用により異なるため、一律に扱うことは出来ません。結局、それを判断する人の主観により判定結果が異なってくることも考えられます。

過去には、こんな路地状開発が認められた例もありました。

平成18年3月28日東京高裁判決(平成17年(コ)320号)

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さすがに、「こんな開発ないだろう!」という感じがしますが、今後事例が積み重なって行けば、判断基準も固まって行くことでしょう。

広大地の判定を不動産鑑定士が行う場合、不動産鑑定評価基準の他に、これら判定基準について、丁寧に当てはめを行っていく必要があります。手を抜くと後でクライアントに迷惑をかける結果になりますので、慎重な調査が求められます。

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